11日のNYダウ工業株30種平均は大幅反発した。前日比205ドル60セント高の2万5574ドル73セントと2日ぶりに過去最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数は、同58.205ポイント高の7211.777で終えた。S&P500種株価指数とともに、主要3指数はそろって過去最高値で終えた。
この日の米原油先物市場では、米国内の在庫減少などを受けて供給過剰懸念が後退し、米国産標準油種WTIは4日続伸した。原油高による業績向上への期待からシェブロンやエクソンモービルなどのエネルギー株に買いが集まり、株価を押し上げた。
また、朝方に2017年10~12月期決算を発表したデルタ航空は、米税制改革成立の影響で純利益が前年同期に比べ8%減少したものの、特殊要因を除いた1株当たり利益は市場予想を上回った。ビジネス需要の拡大を主因とする強気の業績見通しも好感されて株価が急伸し、他の航空株もつれ高となった。ボーイングが大幅高となり、ダウ平均を54ドルあまり押し上げた。
中国政府が11日、「米国債購入の減額や停止を検討している」との報道を否定した。米長期金利の上昇が一服し、PERが相対的に高く金利上昇時に売られやすいIT(情報技術)関連株の一角にも見直し買いが入った。
ナスダック総合株価指数は同58.205ポイント高の7211.777で終えた。S&P500種株価指数とともに、主要3指数はそろって過去最高値で終えた。
セクター別では、メディアやエネルギーが上昇する一方で不動産や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
個別では、複写機のゼロックス(XRX)は5%上昇。合弁相手の富士フイルムホールディングスとゼロックスの経営権を含む大型案件について協議しているとの報道を受けて、経営改善が進むとの思惑が強まった。小売最大手で、米民間企業では最大の雇用主であるウォルマート(WMT)は、臨時ボーナスの支給や最低賃金引き上げる一方で、傘下の会員制卸売店サムズクラブを数十店舗閉鎖する計画が報じられ小幅上昇にとどまった。
一方、脊髄の鎮痛機器について米当局から認可を受けたと発表した医療機器のボストン・サイエンティフィックには買いが先行したが、利益確定目的の売りに押された。
VIX指数は9.88と上昇(前営業日9.82)。VIX指数は、中国政府が米国債購入減額検討との報道を否定し、米10年債利回りが2.52%台まで低下したことで、一時9.62まで下落した。しかしながら、主要株式3指数が史上最高値を更新したことで、高値警戒感が強まり、10.02まで上昇した。
NYダウ工業株30種(ドル)
25,574.73+205.60
S&P500種
2,767.56+19.33
ナスダック
7,211.777+58.205
米10年債利回り(%)
2.5367 -0.012
米2年債利回り(%)
1.9806 +0.009
NY金(ドル/トロイオンス)
1,322.50+3.20
NY原油(ドル/バレル)
63.55-0.02
円・ドル
111.26 – 111.27 -0.52
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。3月物は前日比170円高の2万3785円で終え、大阪取引所の終値を135円上回った。NY株式相場が反発し、主要な指数がそろって過去最高値を更新し好感された。ただ、円相場の上昇を背景に上値が重くなる場面もあった。3月物の高値は2万3790円、安値は2万3590円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23785 ( +135 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23810 ( +160 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7762.94(+14.43)
FTSE100種総合株価指数は3日続伸し、連日で過去最高値を更新した。前日終値に比べ14.43ポイント高の7762.94で引けた。構成銘柄の半数以上が上昇した。
資源株と銀行株が上昇し、指数をけん引した。一方で小売り関連株が売られた。
堅調な金属相場を受けて主力の鉱業株が全面高。なかでもアナリストが投資判断と目標株価を引き上げたアングロ・アメリカンが高かった。3年ぶりの原油高を追い風に石油株も上昇した。
個別銘柄では、食品デリバリーのジャスト・イートの上げが目立った。アナリストによる目標株価の引き上げが買い手掛かりになった。航空のイージージェットも午後に上げ幅を広げ、大幅上昇した。
半面、小売りのマークス・アンド・スペンサー(M&S)が約7%安、スーパーマーケットのテスコは約5%安と大幅下落した。クリスマス期の売上高が市場の期待に届かず、失望売りが出た。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13202.90(-78.44)
ドイツ株式指数(DAX)は続落。終値は前日比78.44ポイント安の13202.90だった。
ITのSAPと不動産のボノビアが安かった。一方でコメルツ銀行とハイデルベルクセメントが上昇。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5488.55(-16.13)
