1日のNYダウ工業株30種平均が続伸し、前日比37ドル32セント高の2万6186ドル71セントで終えた。
昨日のFOMCでの利上げ観測の拡大を嫌気し売りが先行した。ダウは序盤に130ドル超下落した。週間新規失業保険申請件数が予想より減少したほか、堅調な12月建設支出や1月ISM製造業景況指数が好感されたが、午後に米長期金利が上昇基調を強めると警戒感から上値の重い展開となった。
前日夕に発表した決算を受け、目標株価引き上げが相次いだフェイスブックが3%あまり上昇した。業績見通しが強気と受け止められた電子商取引のイーベイも大幅高。決算が市場予想を上回ったクレジットカードのマスターカードも上げた。
原油先物相場の上昇を受けてエネルギー株が買われ、米長期金利上昇で利ざやが拡大するとして金融株にも買いが入った。ダウ平均は157ドル高となる場面もあった。
米利上げ観測の高まりなどから、米株式市場の取引時間中に米10年債利回りが3年10カ月ぶりの水準である2.79%まで上昇した。30年債利回りも節目の3%を超えた。金利上昇で高PER銘柄の割高感が強まるとの懸念が相場の重荷となった。住宅ローン金利の上昇が住宅市場の逆風になるとの見方も広がった。
ナスダック総合株価指数は反落し、同25.619ポイント安の7385.863で終えた。金利上昇を受け、高PER銘柄が多いIT株の一角が売られた。取引終了後に決算発表するアマゾン・ドット・コムやアルファベットが下げた。
セクター別では、電気通信サービスや各種金融が上昇する一方で小売や不動産が下落した。
個別では、オークションサイトのイーベイ(EBAY)は、同社の決済サービスをペイパル(PYPL)からオランダの同業アディアンに段階的に移行することを発表し大幅上昇。前日夕に発表した四半期決算で、契約者数の伸びが堅調だった通信のAT&Tが買われた。
一方で、菓子メーカーのハーシー(HSY)は、通期の一株利益見通しが予想を下振れ下落。1日朝に決算を発表した化学のダウ・デュポンや物流大手のUPSは、業績見通しへの警戒感から売りが優勢だった。同様に前日夕に発表した業績見通しが慎重だった半導体のクアルコムも下げた。
VIX指数は13.47と低下(前営業日13.54)。主要米株価指数は安寄りしたものの、プラス圏を回復する局面もあり底堅い。
VIX指数は14の節目を上回る場面を挟みつつも、一時は12.52まで低下するなど下方向を試す動きが優勢だった。
ダウ平均は前日比+37.32ドルの26186.71ドルで引けた。
NYダウ工業株30種(ドル)
26,186.71+37.32
S&P500種
2,821.98-1.83
ナスダック
7,385.863-25.619
米10年債利回り(%)
2.784 +0.064
米2年債利回り(%)
2.1609 +0.016
NY金(ドル/トロイオンス)
1,347.90+4.80
NY原油(ドル/バレル)
65.98+1.25
円・ドル
109.40 – 109.41-0.18
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は小幅続伸した。3月物は前日比25円高の2万3285円で引け、前夜の大取終値を155円下回った。
円高一服を好感した。米株の上昇局面でも買われたが、米長期金利の上昇を受け米株が伸び悩むにつれ、上げ幅を縮めた。
この日の3月物高値は2万3485円、安値は2万3215円。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
23285 ( -155 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
23305 ( -135 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7490.39(-43.16)
FTSE100種総合株価指数は3日続落した。前日1月31日の終値に比べ43.16ポイント安の7490.39で引けた。構成銘柄の約6割が下落した。
時価総額の大きい石油のロイヤル・ダッチ・シェルと携帯電話サービスのボーダフォン・グループの2銘柄の下げが指数を押し下げた。午後には欧州各国株式相場に連動し、下げ幅を拡大した。
個別では、ロイヤル・ダッチ・シェルは、四半期のキャッシュフローに失望感が広がり売られた。四半期売上高を発表したボーダフォン・グループは4%超下落した。
米連邦準備理事会(FRB)の利上げ加速への思惑から、金利上昇で恩恵を受ける銀行株は午前に買われたが、午後には下げに転じた。バークレイズの下げが目立った。
半面、ベンチャー・キャピタルの3iグループは上昇した。1株当たり純資産総額が増加したと発表したことが好感された。メディアのITVと、梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループ、ロシアの鉄鋼大手エブラズも買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13003.90(-185.58)
ドイツ株式指数(DAX)は4日続落した。終値は前日1月31日に比べて185.58ポイント安の13003.90だった。債券利回りが一段と高まるとの懸念に加え、1日の米国株が下がって始まったことから、欧州各国株式相場は午後に売り圧力が強まった。
個別では、医療機器のフレゼニウスは5%近く下落した。自動車のダイムラーも売られた。2017年通期の売上高と営業利益は過去最高を記録したが、今年の営業利益が昨年並みにととどまるとの見通しを示したことなどが嫌気された。
一方、上昇したのは、コメルツ銀行と自動車のフォルクスワーゲン、放送大手のプロジーベンザット1メディアの3銘柄だけだった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5454.55(-27.38)
