ダウ続伸し255ドル高、金融政策の不透明感後退、主要3指数が最高値

28日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸し、前日比255ドル93セント高の2万3836ドル71セントと21日以来1週間ぶりに最高値を更新して取引を終えた。
 
次期FRB議長に指名されているパウエルFRB理事が、公聴会で緩やかな利上げ路線の継続に言及したことで買いが先行した。
パウエル氏は緩やかな利上げと保有資産の縮小を進めるイエレン議長の方針を踏襲する意向も表明。当面の金融政策の透明性が維持されるとの見方も投資家の買い安心感を誘った。
 
米金利の上昇も重なり、好感した買いがゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど大手銀行株にも及んだ。2銘柄でダウ平均を約50ドル押し上げた。
バンク・オブ・アメリカやウェルズ・ファーゴなどの銀行株も軒並み高。一方、前日に上場来高値を付けたアマゾン・ドット・コムに加え、アップルとフェイスブックが小幅に下げた。
 
ナスダック総合株価指数、機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数とあわせ、主要3指数がそろって過去最高値を更新した。
 
市場では「最近の相場上昇をけん引してきた大型ハイテク株から、銀行株に投資資金が再循環しはじめた」との声が聞かれた。午後には米上院予算委員会が上院共和党の提出した税制改革案を可決した。本会議通過に向けて前進したと受け止められ、市場心理を一段と強気に傾けた。
 
半面、相場は伸び悩む場面もあった。米東部時間午後に北朝鮮が約2カ月半ぶりに弾道ミサイルを日本海に向けて発射したと伝わった。東アジアの地政学リスクの高まりが警戒され、投資家心理が一時的に悪化した。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比33.837ポイント高の6912.358で終えた。ただ、大型ハイテク株からは利益確定売りが出やすく、北朝鮮のミサイル発射が伝わった直後は小幅安に転じる場面もあった。
 
セクター別では、銀行や電気通信サービスが上昇する一方で不動産や半導体・半導体製造装置が下落した。
 
 
 
個別では、レストランチェーンのバッファロー・ワイルド・ウイングス(BWLD)は、投資会社ロアーク・キャピタル・グループ傘下の外食大手アービーズと29億ドル(債務含む)で買収合意し、上昇した。月末の四半期決算の発表を前に化粧品小売りのアルタ・ビューティーが大幅に上げた。った。米年末商戦が好調な滑り出しだったと伝わり、百貨店のメーシーズに買いが続いた。
 
一方、スポーツ用品のナイキ(NKE)はHSBCによる投資判断引き下げを受け下落した。アナリストが仮想通貨関連の売上高が伸び悩むとの見方を示し、画像処理半導体(GPU)のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)とエヌビディアが大幅に下げた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
23,836.71+255.93
S&P500種
2,627.04+25.62
ナスダック
6,912.358+33.837
米10年債利回り(%)
2.3259 -0.002
米2年債利回り(%)
1.75 +0.005
 
NY金(ドル/トロイオンス)
1,294.90              +0.50
NY原油(ドル/バレル)
57.75-0.36
円・ドル
111.44 – 111.45    +0.14


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比160円高の2万2630円で引けた。大阪取引所の終値を130円上回った。NYダウ平均が250ドル強上げるなど米株式相場が堅調で、日本株にも買いが及んだ。為替相場が円安に振れたことも追い風となった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22630 ( +130 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22635 ( +135 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7460.65(+76.75)
日ぶりに大幅反発した。
前日27日の終値に比べ76.75ポイント高の7460.65で引けた。石油株の上げが指数上昇に大きく貢献し、構成銘柄の約8割が上昇した。日中を通して断続的に買いが広がった。
BPなど石油株が買われた。ロイヤル・ダッチ・シェルは、株式配当プログラムの中止と、2020年までのキャッシュフローの見通しを引き上げたことなどが好感され、約4%上がった。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)など銀行株と、WMモリソン・スーパーマーケッツなどスーパーマーケット株も買われた。
決済処理のワールドペイ・グループと、エンジニアリング・防衛・鉄道などのバブコック・インターナショナル・グループの上げも目立った。
 
半面、銅価格の下落を背景に、鉱業関連株は売られた。資源商社のグレンコアと、アングロ・アメリカンの下げが大きくなった。航空機エンジンのロールス・ロイスも下落した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13059.53(+59.33)
FTSE100種総合株価指数は4営業
ドイツ株式指数(DAX)は反発した。終値は前日27日と比べて59.33ポイント高の13059.53だった。
放送大手のプロジーベンザット1メディアと工業用ガスのリンデ、日用品のバイヤースドルフは上昇。一方で、自動車のBMWと医療機器のフレゼニウスは下落した。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5390.48(+30.39)
 

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