NY株式市場は主要3指数が揃って史上最高値を更新した。
上院予算委員会が税制改革法案を承認。
本会議で30日にも採決が行われる見通しとなったことを好感。
またパウエル次期FRB議長候補が上院銀行委員会で証言。
12月利上げの可能性や金融政策の継続性が確認されたことも好材料だ。
「これまでの金融規制の流れを見直す時期が来ている」というコメントを背景に銀行セクターが上昇。
指数を押し上げた。
11月の米CB消費者信頼感指数は129.5に上昇。
市場予想の124.0を上回り2000年11月以来17年ぶりの高水準を記録。
北朝鮮によるミサイル発射が伝わり一時押し戻される場面もあったが結局は持ち直し。
ほぼ高値圏での引けとなった。
国債利回りは小幅に上昇。
ドル円は北朝鮮のミサイル発射にやや反応したものの結局は小動き。
ほとんど話題にもならないがケース・シラー住宅価格指数(米20都市圏住宅価格指数)。
前月比プラス0.5%(市場予想は同プラス0.4%)で着地。
北朝鮮リスクや東レのデータ問題を抱えながらも小幅安だった火曜。
火曜日はこのところ前場高、後場安がよく見られる曜日となっている。
もっとも前場に先週安値の22381円をやや下回って25日線に接近すると切り返し。
地合いの強さを感じさせてくれた。
「日経平均は東レの急落がアク抜けにつながった」という指摘も見られる。
5日線(22494円)がほぼサポートした格好だ。
200日線は20042円と先週金曜から2万円台に乗せた。
乖離は12.19%。
25日線の上昇は1日40円程度に低下したが乖離はプラス0.72%。
前日の0.95%から低下した。
ここでリセットとすればプラス2%で22943円。
第一次限界のプラス4%で23393円と計算できる。
11月9日高値の22382円と同水準だ。
24日時点の信用買い残は742億円増の2兆9073億円(5週連続増)。
2016年2月の2兆9330億円に迫った。
信用売残は226億円増の1兆498億円(4週ぶり増加)。
買い玉の回転が効き売り玉はシコリとして残る形。
踏み上げ期待はかなり高い。
空売り比率は39.8%(前日40.8%)と40%割れ。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲15.080%。
買い方▲2.800%。
日経平均のPERは14.72倍。
EPSは1527円と落ち着いている。
シカゴ225先物終値は日中比130円高の22630円。
北朝鮮のミサイル発射で上昇幅を縮小する場面もあったが、影響は限定的だった。
11月中旬移行はNY高で高寄り後に値を消す傾向がある。
体感的に水曜は前場の上昇幅を後場打ち消す傾向だ。
ただ「11月最終週の株高」のアノマリーが活きるとすれば、今日は意外と効かない可能性もある。
先週月曜から日経平均は「勝手雲」の中での推移。
昨日も雲の上限22567円と雲の下限の22364円にヒゲでタッチしていた。
今日の上限は22567円で下限は22364円。
寄り付き22600円台で勝手雲上に突き抜ければ青天井となる。
この先数日勝手雲は細くなり12月6日に黒くねじれている。
ボリンジャのプラス1σは22683円。
ココを抜ければプラス2σの23041円に挑戦だ。
「日経朝刊が1面トップは『半導体、IoTで急成長期』の見出し。
ここには敬意を表するべき」という声も聞こえる。
機関投資家の運用方針に影響するOECD(経済協力開発機構)の世界経済見通しも好材料。
日本の実質GDPの伸び率は2018年が前年比1.2%と上方修正。
19年は1.0%。
世界経済全体の188年の予想成長率は9月と同じ3.7%。
2018年度の税収見積もりは58兆円超。
1991年度の59.8兆円以来27年ぶりの高水準になるいという。
リーマンショック時には、40兆円レベルまで落ち込んでいたから20兆円あまり増加することになる。
背景は所得税収と消費税収の増加。
株式配当の増加も寄与するという。
国家経済もある意味では兜町頼みという側面があるということだろうか。
放漫な政府財政は「次世代へのツケを残す」という懸念もある。
しかし少なくともバブル期の好景気に並ぶ税収というのは悪くはないはずだ。
因みに日経ジャスダック平均も27年ぶりの高値圏。
「27年」を超えればバブルを超えられることになる。
NYダウは257ドル高の23838ドルと3日続伸。
NASDAQは33ポイント高の6912ポイントと反発。
S&P500は25ポイント高の2627ポイントと反発。
3指数揃って史上最高値を更新。
ダウ輸送株指数は159ポイント高の9754ポイント。
3市場の売買高は26.8億株。
CME円建ては大証比130円高の22630円。
ドル建ては大証比135ポイント高の22635ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比130円高の22630円。
ドル円は111.40円。
10年国債利回りは2.338%。
非公式外資系5社動向は売り680万株、買い610万株。
金額ベースは123億円の買い越し(2日連続)。
売りセクター精密・機械・化学セクターなど。
買いセクターは薬品・商社・通信・銀行・証券・陸運・その他製品・情報通信・小売セクターなど。
売買交錯は食品・電機セクターなど。
◇ ━━━ カタリスト ━━━◇
ヤマシン(6240)・・・動兆。
ヤマシンフィルタに注目する。
同社は建設機械の油圧回路に用いるフィルター世界首位。
シェアは7割に及ぶ。
業績は絶好調。
18年3月期上期は売上高62億3900万円(前年同期比30.4%増)。
営業利益9億6700万円(同2.2倍)。
通期予想は大幅な上方修正。
売上高を従来の110億9000万円から125億円(前期比24.9%増)。
営業利益は9億8000万円から17億5000万円(同82.7%増)に引き上げ。
新たな繊維素材を開発。
建材やEV(電気自動車)向けの吸音材、化粧品・医療への応用に期待感。
11月5分割でその後の展開に期待。
(兜町カタリスト櫻井)
