５日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比109ドル41セント安の２万4180ドル64セントで取引を終えた。
午前中は堅調だったハイテク株の一角が午後に伸び悩むと、相場全体が下げ幅を広げた。ダウ平均は一時134ドル安まで下げた。米税制改革の実現期待を背景とした上げ相場に一服感が強まり、利益確定売りに押されて反落した。
ディズニーはメディアの21世紀フォックスの一部事業の買収発表が近いと５日に報じられたが、前日に買収観測を材料に大きく上昇していたため、利益確定売りに押された。前日終値比で３％近く下げ、１銘柄でダウ平均を約20ドル押し下げた。
減税の恩恵を受けやすいとして前日に買われた金融や小売りなど内需株は売りが優勢。ＪＰモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカは、経営陣が「10～12月期のトレーディング事業が低調だ」と述べたとの報道も売りを誘った。最近堅調だったベライゾン・コミュニケーションズなど通信株も安い。
ナスダック総合株価指数は３日続落し、同13.153ポイントの6762.213で終えた。半導体や通信株の下げが響いた。アマゾン・ドット・コム、フェイスブック、アルファベット（グーグル）など時価総額が大きい主力株は買いが先行したが、午後は買いの勢いが鈍った。
セクター別では、ソフトウェア・サービスや消費者・サービスが上昇する一方でメディアや電気通信サービスが下落した。
個別では、住宅建設のトール・ブラザーズ(TOL)は決算内容が嫌気され、下落。パルトグループ(PHM)やDRホートン(DHI)など住宅建設関連銘柄に売りが広がった。前日夕に示した業績見通しが弱気と受け止められた女性衣料品のアシーナ・リテール・グループは急落した。アナリストが投資判断の引き下げた電気自動車（EV）のテスラも売られた。
一方、DKNYブランドなどを保有するアパレルのG-IIIアパレルグループ(GIII)は決算内容が予想を上振れ、大幅上昇。カード決済ネットワークのマスターカード(MA)は40億ドル相当の自社株買い計画に加えて増配を発表し、買われた。
VIX指数は11.29と下落（前営業日11.68）。ダウ平均は、米両院協議会での税制改革法案の一本化への期待感から24349.74ドルまで上昇したものの、FOMCでの追加利上げ観測を受けた米短期債利回りの上昇や2018年度暫定予算の期限切れ、債務上限の期限切れなどへの警戒感から反落して引けた。
NYダウ工業株30種（ドル）
24,180.64－109.41
S&P500種
2,629.57－9.87
ナスダック
6,762.213－13.153
米10年債利回り（％）
2.3527 -0.026
米2年債利回り（％）
1.8224 +0.012
NY金（ドル/トロイオンス）
1,264.90－12.80
NY原油（ドル/バレル）
57.48＋0.01
円・ドル
112.56 – 112.57 －0.06
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅に続落した。12月物は前日比10円安の２万2470円で引け、大阪取引所の終値を140円下回った。NYダウ平均など主要な米株価指数が下落し、日経平均先物にも売りが及んだ。米上下両院で税制改革法案の一本化が進むなか、米株市場では最終案を見極めたいとの姿勢が強まり、利益確定売りが優勢だった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22470 ( -140 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22475 ( -135 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7327.50（－11.47）
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日4日の終値に比べ11.47ポイント安の7327.50で引けた。鉱業株の下げが指数を押し下げ、構成銘柄の半数以上が下落した。英国の欧州連合（EU）離脱交渉の先行き不透明感から5日もポンド売りが続き、株価指数は日中に上昇した。ただ、午後のポンドの下げ渋りに伴い、指数は下げに転じた。
個別では、保険のプルーデンシャルとアヴィヴァ、セント・ジェームズ・プレイスも下落した。前日に上昇した反動で、建設資材のファーガソンも下がった。エンジニアリング・防衛・鉄道などのバブコック・インターナショナル・グループと、メディアのＩＴＶも軟調だった。
半面、スーパーマーケット株は上昇し、なかでもゴールドマン・サックスがそれぞれの投資判断を引き上げたテスコとＷＭモリソン・スーパーマーケッツの上げが目立った。
たばこのブリティッシュ・アメリカン・タバコも買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13048.54（－10.01）
ドイツ株式指数（DAX）は反落した。終値は前日４日と比べて10.01ポイント安の13048.54だった。
自動車のフォルクスワーゲン（VW）と、鉄鋼のティッセン・クルップ、医薬・農薬大手のバイエルは下落した。一方で、不動産のボノビアと半導体のインフィニオンテクノロジーズは買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5375.53（－13.76）
