26日のNYダウ工業株30種平均は反発した。前日比71ドル40セント高の2万3400ドル86セントで取引を終えた。
市場予想を上回る米企業の決算が相次ぎ、買い安心感が広がった。欧州中央銀行(ECB)が量的金融緩和の縮小開始を決めたが、縮小は緩やかなペースになるとの見方も買いにつながった。
自動車大手フォード・モーターが朝方発表した2017年7~9月期決算は、主力の北米部門でコスト削減が進み、純利益が前年同期比で63.4%増加。1銘柄でダウ平均を13ドルあまり押し上げた。
こうした良好な決算を発表した銘柄を中心に買いが入り、株価全体を押し上げた。
26日は取引終了後にグーグルの持ち株会社アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなど注目度の高い企業が決算発表を控え、好決算を期待した買いも入りやすかった。
ECBは26日、来年から毎月の資産購入額を半分に減らすことを決めた一方、買い取り期間は来年9月末まで9カ月間延長した。しばらくは緩和的な金融環境が続くとの受け止められ、株買いを誘った。
ナスダック総合株価指数は小幅に続落した。前日比7.117ポイント安の6556.774で終えた。
アップルやマイクロソフトなど一部の主力株は上昇したが、バイオ製薬のセルジーンが大幅安になるなど、バイオ関連銘柄が軟調で指数を下押しした。
業種別S&P500種株価指数(全11業種)では「素材」「金融」「電気通信サービス」など8業種が上昇した。一方「ヘルスケア」「不動産」は下落。「公益事業」は横ばいだった。
26日朝に発表した決算で最終赤字が縮小した短文投稿サイトのツイッターが大幅高。
一方、7~9月期の売上高が市場予想を下回り通期予想も引き下げたバイオ製薬のセルジーンは大幅安だった。ドラッグストアチェーン大手のCVSヘルスは医療保険のエトナの買収に向けた動きが伝わり、目先の財務負担を懸念した売りが優勢となった。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,400.86 +71.40
S&P500種
2,560.40 +3.25
ナスダック
6,556.774 -7.117
NY原油(ドル/バレル)
52.82 +0.64 26日 16:59
円・ドル
114.00 – 114.01 ±0.00
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は反発した。12月物は前日比145円高の2万1855円で引け、同日の大取終値を85円上回った。
米企業の好決算や欧州中央銀行(ECB)の金融政策を好感してダウ工業株30種平均が反発し、日本株も買われた。円安進行も支援材料になり、12月物は一時2万1865円まで上げた。この日の12月物安値は2万1695円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21855 ( +85 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21875 ( +105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日25日の終値に比べ39.29ポイント高の7486.50で引けた。たばこ株の上げが指数を押し上げ、構成銘柄の約8割が上昇した。
インペリアル・ブランズなどたばこ株が上がった。25日に次世代たばこの良好な見通しを示し上昇したブリティッシュ・アメリカン・タバコが引き続き大幅高となった。
銀行のロイズ・バンキング・グループとHSBCホールディングス、スタンダードチャータード銀行も上昇した。
半面、シャイアーなど医薬品株は25日に引き続き売られた。グラクソ・スミスクラインの下げも大きかった。
銀行のバークレイズは7%超下落した。投資銀行部門の低迷が響いて、四半期利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
ドイツ株式指数(DAX)は大幅反発した。終値は前日比179.87ポイント高の13133.28と、18日に付けた最高値を更新した。
2017年の売上高見通しを引き上げた日用品のバイヤースドルフは約6%高。複数のアナリストが株価目標を引き上げたことも買い材料となった。
一方、四半期決算を発表した医薬・農薬大手のバイエルは下がった。ドイツ銀行は、四半期減収が嫌気され売られた。同業のコメルツ銀行も安くなった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40の終値が前日に比べて1.5%上昇し5455.40と、終値ベースで2008年1月上旬以来の高値で引けた。
イタリアのFTSE・MIBは1%以上、スペインのIBEX35も2%近く、それぞれ上昇した。
