6日のNYダウ工業株30種平均は5日続伸した。終値は前週末比9ドル23セント高の2万3548ドル42セントと、3日続けて過去最高値を更新した。
S&P500種株価指数、ナスダック総合株価指数も連日で最高値を更新した。
高値警戒感から寄付き後は上値の重い展開となったが、好調が続く7-9月期決算を受けて投資家のリスク選好姿勢が強まっているほか、ハイテクセクターでの大型買収や原油相場の上昇、税制改革への期待から堅調推移となった。
サウジアラビア政府は数十人の王族や閣僚を汚職容疑で拘束した。また、サウジは内戦が続く隣国イエメンの反体制派がサウジの首都リヤドに向けた弾道ミサイルを発射したが、撃ち落としたと発表。中東情勢が緊迫化を受けて原油価格が上昇した。石油のシェブロンやエクソンモービルが買われ、2銘柄でダウ平均を約18ドル押し上げた。
M&Aを巡る思惑も相場を押し上げた。米CNBCは6日、米メディア大手の21世紀フォックスがニュースとスポーツ部門を除く事業の大半を米映画・娯楽大手のウォルト・ディズニーに売却する方向で協議していると報じた。コンテンツの充実が業績拡大につながるとの思惑からディズニー株が上昇した。
連日の高値更新に加え、主要企業の決算発表の一巡もあって上値は重かった。目先の利益を確定する目的の売りに押され、ダウ平均は18ドルあまり下げる場面があった。
ナスダック指数は続伸し、前週末比22.001ポイント高の6786.436で終えた。アナリストの目標株価引き上げが続くアップルのほか、アマゾン・ドット・コムやフェイスブックなど主力株が上げた。
セクター別では、エネルギーやメディアが上昇する一方で電気通信サービスや食品・生活必需品小売が下落した。
個別では、6日に米半導体大手のインテルに画像処理半導体(GPU)を供給すると発表したアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が大幅に上昇。インテルも買われた。半導体のクアルコム(QCOM)は、前週に同業ブロードコム(AVGO)による1300億ドル(債務含む)相当のハイテク業界で過去最大規模の買収検討が報じられ、堅調推移した。
一方、ソフトバンクグループ傘下で通信大手のスプリント(S)は、TモバイルUS(TMUS)との経営統合を巡る協議を正式に打ち切り、大幅下落となった。
激しい競争が続くとの見方からベライゾン・コミュニケーションズやAT&Tなど他の携帯大手株も下落した。
NYダウ工業株30種(ドル)
23,548.42+9.23
S&P500種
2,591.13 +3.29
ナスダック
6,786.436+22.001
米10年債利回り(%)
2.3199 -0.023
米2年債利回り(%)
1.6247 ±0.00
NY原油(ドル/バレル)
57.24+1.60
円・ドル
113.70 – 113.71 -0.61
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅反落した。12月物は前週末比25円安の2万2580円で引け、前夜の大取終値を20円下回った。円相場の反発を嫌気した。
ただ、NYダウなど主要指数が軒並み過去最高値を更新し、日経平均先物の下げ幅は限られた。この日の12月物安値は2万2430円、高値は2万2655円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22580 ( -20 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22595 ( -5 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7562.28(+1.93)
FTSE100種総合株価指数は小幅ながら3日続伸し、前週末に付けた最高値を更新した。前週末3日の終値に比べ1.93ポイント高の7562.28で引けた。上昇・下落銘柄数は拮抗した。
午前は売りが先行していたものの、主力の資源株が買われ指数の上げに貢献した。一方で欧州の長期金利低下などを背景に金融株は下落した。
金属と原油相場の上昇を追い風に鉱業株と石油株が軒並み上昇した。売りが先行して始まったたばこのインペリアル・ブランズは、アナリストが電子たばこ事業の拡大などで通期増益の見込みを示したことが好感され、買いに転じた。
半面、銀行株と資産運用株がほぼ全面安となった。RSAインシュアランス・グループをはじめ保険株も売りに押された。サウジアラビア政府が、著名投資家を含む同国の王族や閣僚数十人を反汚職の名目で拘束したとの報道も投資家心理を冷やし、資産運用のスタンダード・ライフ・アバディーンが安くなった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13468.79(-10.07)
ドイツ株式指数(DAX)は小反落。前週末3日の終値に比べ10.07ポイント安の13468.79だった。前週末に最高値を更新した反動もあり売りが先行した。上昇・下落銘柄数は拮抗した。
ドイツテレコムが安かった。子会社のTモバイルUSとソフトバンクグループ傘下のスプリントの経営統合を巡る交渉が破談に終わったことが嫌気された。放送大手のプロジーベンザット1メディアとアディダスの下げも目立った。
一方、電力のRWEが高かった。エーオンも連れ高した。透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアはアナリストの目標株価引き上げを手掛かりに上げた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5507.25(-10.72)
