８日のNYダウ工業株30種平均は小幅に７日続伸した。前日比６ドル13セント高の２万3563ドル36セントで終え、５日連続で過去最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は２日ぶりに最高値を更新。主要3指数がそろって最高値を付けた。
昨日の州知事選で多くの州で民主党候補が勝利したことや、税制改革の実施が19年度にずれ込むとの報道を受け、売りが先行した。トランプ大統領が訪韓中に北朝鮮を非難したことも地政学リスクを高めた。明日発表が予定される上院の税制改革案を見極めたいとの思惑や、トランプ大統領の訪中で大規模な商談成立が期待されており、引けにかけて上昇に転じた。
下げる場面が目立ったものの、相場上昇に出遅れていた製薬のメルクなど一部の銘柄に押し目買いや値ごろ感に着目した買いが入った。相場の底堅さが意識されると、これまで買い遅れていた投資家の資金も巻き込んで上昇に転じた。
銀行株の下落も相場の重荷だった。米債券市場では長短金利差の縮小基調が続いている。貸出金利と預金などの調達金利の差となる利ざやが縮小し、業績に悪影響を与えるとの見方が売りを誘った。金融のJPモルガン・チェースは１銘柄でダウ平均を７ドルあまり押し下げた。
ナスダック総合指数は反発し、前日比21.335ポイント高の6789.118で終えた。アマゾン・ドット・コムやアップル、グーグルの持ち株会社アルファベットなど主力の一角が上昇して指数を支えた。
セクター別では、食品・生活必需品小売や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方でメディアや銀行が下落した。
個別では、７日夕に市場予想を上回る増収増益決算を発表した企業向けIT（情報技術）サービスを手掛けるDXCテクノロジーが買われた。８日発表の決算で売上高が市場予想を上回ったカジノ・ホテル運営のMGMリゾート・インターナショナル(MGMも高い。
一方、写真共有アプリを手掛けるスナップ(SNAP)やアクセサリーのフォッシル(FOSL)は、決算内容が嫌気され、大幅下落した。決算と合わせて通期の業績見通しを引き下げた米腕時計のフォッシル・グループにも売りが膨らんだ。
NYダウ工業株30種（ドル）
23,563.36＋6.13
S&P500種
2,594.38 ＋3.74
ナスダック
6,789.118＋21.335
米10年債利回り（％）
2.3343 +0.027
米2年債利回り（％）
1.6493 +0.020
NY原油（ドル/バレル）
56.82－0.38
円・ドル
113.87 – 113.88 ＋0.05
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続伸した。12月物は前日比80円高の２万2945円で終え、大阪取引所の終値を５円上回った。
NYダウ平均が５日続けて過去最高値を更新し、日経平均先物にも買いが入った。取引終了にかけて上げ幅を広げ、２万2980円まで買われる場面があった。12月物の安値は２万2760円だった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
22945 ( +5 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
22960 ( +20 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7529.72（＋16.61）
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日７日の終値に比べ16.61ポイント高の7529.72で引けた。鉱業株とたばこ株の上げが指数を押し上げ、構成銘柄の約６割が上昇した。
金と銅の相場上昇を受けて、フレスニージョやリオ・ティントなど鉱業株が上昇した。ブリティッシュ・アメリカン・タバコなどたばこ株も高くなった。 製紙のモンディは、アナリストによる株価目標と投資判断の引き上げが好感され買われた。
半面、住宅建設株は安くなった。パーシモンは３％超下がった。四半期の業績が横ばいと発表したことが売り材料となった。保険株と航空株も下落した。
衣料小売りと食品事業のアソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズも前日に引き続き大幅安となった。複数のアナリストが８日に投資判断を引き下げたことも嫌気された。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 13382.42（＋3.15）
ドイツ株式指数（DAX）は３営業日ぶりに小反発した。終値は前日比3.15ポイント高の13382.42だった。
ハイデルベルクセメントは６％超上昇した。同社の最高経営責任者（CEO）が10月のセメント販売が過去最高だったと発表したほか、2018年の米建築資材市場の拡大見通しを示したことなどが好感された。
一方で、航空のルフトハンザは3%超の下落。自動車のフォルクスワーゲンとダイムラーも売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5471.43（－9.21）
