〔米株式〕ダウ続落、289ドル安=原油高への警戒続く
11日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比289ドル24セント安の4万7417ドル27セントだった。中東の緊迫が続くなか、米原油相場が前日比で上昇したことなどが重荷だった。ダウ平均は500ドルあまり下げる場面があった。
米国・イスラエルとイランの軍事衝突を巡る不透明感から投資家が運用リスクを取りにくかった。トランプ米大統領は11日にも記者団に対し、「彼ら(イラン)は海軍も空軍も失った。指導者もいない」などと述べた。米ニュースサイトのアクシオスとの電話インタビューでは改めて軍事作戦の終わりが近いとの見解を示した。
一方、イランは徹底抗戦の構えを崩していない。11日には中東に展開する米系の金融機関を攻撃対象にすると警告したと伝わった。エネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡の事実上の封鎖が長引くとの警戒も根強い。
11日にはホルムズ海峡を含むイラン周辺で3隻の船舶が攻撃を受けたと英海事機関UKMTOが報告するなど、ペルシャ湾では船舶への攻撃が相次いでいる。イランがホルムズ海峡で機雷の敷設を始めたことに対し、米軍が機雷敷設艦を追撃しているが、輸送の正常化には時間がかかると見方が広がっている。
米原油先物市場ではWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の期近の4月物が1バレル89ドル近辺と前日比で6%あまり上昇する場面があった。国際エネルギー機関(IEA)加盟国が4億バレルの石油備蓄の協調放出を決めたことを受けて水準を切り下げる場面があったが、売りは続かなかった。
石油備蓄を放出しても、原油以外のサプライチェーン(流通網)の混乱解消には効果がない。インフレやコスト増が企業業績や個人消費を下押しするスタグフレーションへの懸念が強かった。
11日発表の2月の米消費者物価指数(CPI)は前月比の上昇率が0.3%、前年同月比が2.4%とダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。ただ、エネルギー高が物価押し上げ要因となる可能性が高まっている。米長期金利は一時、前日比0.06%高い(債券価格は安い)4.22%とおよそ1カ月ぶりの水準に上昇した。
ダウ平均の構成銘柄ではプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やシャーウィン・ウィリアムズ、ビザ、ホーム・デポなど景気敏感株や消費関連株が下げた。半面、シェブロンやユナイテッドヘルス・グループ、シスコシステムズ、エヌビディアなどが上げた。
ダウ平均の構成銘柄ではないがオラクルは大幅高だった。10日夕に発表した四半期決算や売上高見通しが市場予想を上回った。人工知能(AI)インフラ需要が追い風となる半導体などデータセンター関連株の一角にも買いが入った。
ナスダック総合株価指数は3日続伸し、終値は前日比19.031ポイント高の2万2716.135だった。半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーやサンディスクの上げが目立った。テスラも高かった。一方、ソフトウエア関連株が下げた。ネットフリックスも安い。
〔ロンドン株11日 反落〕
11日の英FTSE100種総合株価指数は反落し、前日比58.47ポイント安の1万0353.77で終えた。
中東情勢に対する不透明感の強まりから積極的な売買が手控えられる中、企業業績の低迷も市場心理を冷やし、下押し圧力となった。
エネルギー関連施設が攻撃を受けているほか、ペルシャ湾では船舶が標的となっている。先行きが依然見通せず、投資家の警戒感が強い。
午後に発表された国際エネルギー機関(IEA)の石油備蓄の協調放出決定を合意したと発表した。
市場では一定の緩衝材になるとの見方はあるものの、懸念を和らげるには不十分との声も聞かれ、レンジ内での取引にとどまっている。
イランが報復としてエネルギーの重要な輸送ルートを妨害しているとの見方は、投資家心理を冷やしている。
銀行株や、消費財のユニリーバといった消費関連が下げた。外国為替市場でのドル高を背景にドル建てで取引される金や銀といった貴金属が値下がりし、鉱業株の売りを促した。防衛株を含む資本財や不動産の関連銘柄も売りが優勢となった。他方、原油先物の上昇を背景に、英シェルなど石油株は買われた。
〔ドイツ株11日 反発〕
11日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比328.60ポイント安の2万3640.03で終えた。中東地域で続く軍事衝突やエネルギー高を受けた物価上昇に対する警戒感が、引き続き投資家心理の重荷となった。ドイツを含む欧州の長期金利上昇も嫌気された。
業績など個別の材料を受けた売りが一部銘柄で出たことも、DAXを下押しした。防衛大手の独ラインメタルの株価下落が目立った。同社が11日公表した2026年12月通期の業績見通しについて、やや物足りないとの受け止めが聞かれた。
不動産大手ボノビアやソフトウエアの独SAPが下げた。建設資材を手掛ける独ハイデルベルク・マテリアルズのほか、スポーツ用品のアディダスといった消費関連に売りが出た。一方で自動車の独フォルクスワーゲン(VW)とBMW、化学株の一角が上げた。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.19%安で終えた。
