〔米株式〕ダウ続落、73ドル安=イラン情勢の緊迫化で
2日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前週末比73ドル14セント安の4万8904ドル78セントだった。
中東情勢の緊迫化を受け、ダウ平均の下げ幅は一時600ドルに迫った。売り一巡後は主力株の一角が買い直され、ダウ平均は下げ渋った。
米国とイスラエルが2月28日にイランへの攻撃を開始し、イランの最高指導者ハメネイ師を殺害した。その後も攻撃は続き、イランによる報復も起きている。トランプ米大統領は2日、イランへの軍事行動について「想定していた4〜5週間の軍事作戦の期間を超えても継続できる」として、作戦を遂行する姿勢を示した。
イランの革命防衛隊はエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡を封鎖し、通過する船舶に対して砲撃するとイランメディアが2日に伝えたと複数の欧米メディアが報じた。
中東情勢の緊迫化でエネルギー供給が停滞することが警戒される中、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は急伸。米国産標準油種WTIは1日夜に一時前週末比12%高の1バレル=75.33ドルまで上昇した。ただ、その後は上げ幅を縮小し、2日の終値は同6%高の71.23ドルとなった。
原油高がインフレや消費減退につながるとして、消費関連株や景気敏感株のほか、空運やクルーズ船などに売りが出た。「原油高はインフレ懸念を高め、米連邦準備理事会(FRB)が追加利下げに動きにくくなり得る」との声も聞かれた。
「恐怖指数」とも呼ばれる米国株の変動性指数(VIX)は21台で終えた。不安心理が高まった状態とされる20を上回り、朝方には一時25台に乗せた。
ダウ平均は上昇に転じる場面があった。軍事衝突や市場への影響が長く続かないとの観測から、原油先物相場が伸び悩んだ。地政学リスクが株式相場に与える影響は長続きしないとの経験則も意識され、下値では主力株の一角に押し目買いが入った。
人工知能(AI)投資に対する収益性やAIが既存事業を代替するとの懸念から足元で売られる傾向にあった関連株が買い直され、ダウ平均の構成銘柄ではマイクロソフトが上昇した。2日までに光学部品を手掛ける企業や通信大手などとの提携を発表したエヌビディアは2.9%高となった。
その他のダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポやスリーエム(3M)、ウォルト・ディズニー、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。半面、ハネウェル・インターナショナルやシェブロン、キャタピラーは上昇した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前週末比80.645ポイント(0.35%)高の2万2748.857だった。メタプラットフォームズやデータ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが買われた。指数は下げて始まったものの、上昇に転じた。
〔ロンドン株2日 反落〕
2日の英FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反落し、前週末比130.44ポイント(1.19%)安の1万0780.11で終えた。中東情勢の緊迫を受け、投資家がリスク回避姿勢を強めた。国際商品市場で原油や天然ガスの先物が値上がりし、物価上昇への警戒から英イングランド銀行(中央銀行)の早期利下げに慎重になるとの見方が広がったことも重荷となった。
ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)などを傘下に持つ英インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)、ホテル株が下げるなど空運や旅行・レジャー関連が売られた。金融株のほか、消費、ヘルスケアの関連銘柄に売りが優勢だった。鉱業株の一部も下げた。一方で、原油先物の上昇を背景に石油株が上昇。防衛関連株に買いが入った。
FTSE100の構成銘柄では、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が5.48%減と下落率トップ。金融大手スタンダード・チャータードが5.29%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションが5.00%安と続いた。一方、航空・防衛大手BAEシステムズは6.11%高、通信大手エアテル・アフリカは3.21%高だった。
〔ドイツ株2日 続落〕
2日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比611.86ポイント(2.41%)安の2万4672.40で終えた。米国とイスラエルが2月28日にイランへの軍事攻撃に踏み切った。イランが報復に動くなど中東地域の緊張が一段と高まり、投資家がリスク回避の姿勢を強めた。
欧州の主要50社の株価の今後の変動予測を表し、投資家の不安心理を映すとされるVストックスは急上昇し、朝方に一時25台と2025年11月以来の高水準をつけた。
DAXでは、自動車大手BMW(4.34%安)や同業のフォルクスワーゲン(VW、3.79%安)、コメルツ銀行(3.64%安)などが売られた反面、防衛大手ラインメタル(1.20%高)、ヘルスケア大手フレゼニウス(0.99%高)が買われた。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続落し、前週末比2.17%安で終えた。
