12日 米国▪︎欧州株式概況

〔米株式〕ダウ続落、669ドル安=AI脅威論が再燃

12日のNYダウ工業株30種平均は続落し、終値は前日比669ドル42セント安の4万9451ドル98セントだった。人工知能(AI)が既存企業の業務を代替するとの懸念が引き続き意識され、ソフトウエアや大型ハイテク株などに売りが出た。四半期決算の発表が続くなか、業績が期待に届かなかったと受け止められた銘柄が下落し、相場の重荷になった。

アップルやアマゾン・ドット・コムなどIT大手が下げを主導。米ネットワーク機器大手シスコシステムズは前日発表した決算が投資家の期待を下回り、12.3%安とダウ平均を押し下げた。投資家のリスク回避姿勢が強まり、金融株などにも売りが広がった。
 市場では、AIによるソフトウエア設計などの仕事の代替や、半導体メモリーの供給不足と価格高騰への不安が根強い。他方、スーパーマーケットなどはAI導入を通じ労働生産性が高まるとの見方が出ており、日系証券関係者は「AI普及に伴う『勝ち組』と『負け組』が選別されている」と指摘した。

AIの進化がソフトウエア企業の収益機会を奪うとの見方が改めて広がり、IBMが下落した。ソフトウエア関連株への売りが優勢になると、アマゾン・ドット・コムやエヌビディアなどにも売りが出て、主力ハイテク株の持ち高を減らす動きが加速した。

AIがさまざまな企業の事業モデルの脅威になるとの観測もあった。ダウ平均の構成銘柄ではゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株の下げが目立った。AIの発展で資産運用など金融関連サービスの収益が目減りするとの思惑が意識された。

ウォルマートやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など消費関連株は上昇した。「AIの悪影響を受ける銘柄を売る半面、ディフェンシブ株に資金を移動させる投資家が多い」との声が出ていた。

ダウ平均は上昇する場面もあった。11日発表の1月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数の伸びが市場予想を上回り、米労働市場を巡る過度な警戒感が和らいだ。12日発表の週間の新規失業保険申請件数が前の週から減るなど、米雇用が底堅いとの見方は株式相場の支えだった。

その他では、ウォルト・ディズニーやアメリカン・エキスプレス(アメックス)、キャタピラーが下落した。ナイキやシェブロン、エヌビディアも売られた。一方、マクドナルドやユナイテッドヘルス・グループ、ボーイングが上昇した。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)とスリーエム(3M)も高かった。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。終値は前日比469.319ポイント安の2万2597.148だった。メタプラットフォームズやブロードコム、テスラが下落した。広告プラットフォームのアップラビンが大幅安となった。11日発表した25年10〜12月期決算で売上高は市場予想以上だったが、AIの普及に伴い競争が激化するとの懸念を払拭できず売りが出た。

〔ロンドン株12日 反落〕

12日の英FTSE100種総合株価指数は反落し、前日比69.67ポイント安の1万0402.44で終えた。12日の米株式市場で大型のハイテク株を中心に売りが増えると、英国を含む欧州の主要な株式相場も水準を切り下げた。

国際商品市場では、欧州時間午後に原油先物や金が急速に値を下げた。代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコンの値下がりなども背景に投資家がリスク回避姿勢に傾いた。FTSE100種指数は、取引時間中には前日付けた最高値(1万0472)を上回る場面もあった。

銀行や鉱業、石油株が下げたほか、資本財関連の一角に売りが出た。他方、公益やヘルスケア関連といったディフェンシブ銘柄には買いが優勢となった。

FTSEの構成銘柄では、有害生物管理会社レントキル・イニシャルが6.88%安、保険大手プルデンシャルが6.80%安、金融大手スタンダード・チャータードが4.66%安と下げを主導。他方、米資産運用大手ヌビーンによる買収が発表された同業シュローダーは28.56%高と急伸し、複合企業DCCが3.80%高、自動車保険のアドミラル・グループが3.44%高で続いた。

〔ドイツ株12日 小幅反落〕

12日のドイツ株価指数(DAX)はわずかながら3日続落した。前日比3.46ポイント安の2万4852.69で終えた。前日比で高く推移する時間帯が長かったものの、取引終了にかけて投資家がリスク回避の姿勢に傾き、DAXは小幅安に転じた。

12日のNYダウ工業株30種平均とナスダック総合株価指数がともに高く始まった後に下落に転じ、下げ幅を広げる場面がある。国際商品市場では金や原油先物が値下がりし、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインも値を下げている。

市場では「米ハイテク株売りというテーマが市場に戻り、金や米ハイテク株の買い持ち高を巻き戻す動きが出ている」との声が聞かれる。

半導体の独インフィニオンテクノロジーズが下落。2026年9月期の1株利益見通しを引き上げたことで昼過ぎまで株価上昇が目立っていた独シーメンスは、取引終了にかけて急速に上げ幅を縮小した。日用品関連の一部銘柄に買いが入った。

DAXでは、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが11.01%安、不動産検索サイト大手スカウト24が6.12%安、郵便・物流大手ドイツポストが4.88%安と大幅に下落。半面、通信大手ドイツテレコムは6.09%高、自動車部品大手コンチネンタルは2.90%高、ハノーバー再保険は2.63%高と買われた。

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.32%高で終えた。前日に比べ上昇したものの、取引終了にかけて上げ幅を縮小した。

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