〔米株式〕ダウ、3日連続最高値=様子見ムードも利下げ期待
10日のNYダウ工業株30種平均は3日続伸した。終値は前日比52ドル27セント高の5万0188ドル14セントと、3日連続で最高値を更新した。
一部の景気敏感株などに買いが入り、指数を支えた。半面、ハイテク関連の一角が下げたことは重荷となった。
朝方公表された昨年12月の小売売上高は前月と比べて横ばいと、市場予想を大きく下回った。市場では、連邦準備制度理事会(FRB)が景気を下支えするため利下げに動くとの見方が浮上。買い安心感が広がり、ダウの上げ幅は一時400ドルに迫った。
ただ、1月の雇用統計や消費者物価指数(CPI)の内容を見極めたいとの思惑から売り買いが交錯し、値を消した。巨額の人工知能(AI)投資を巡る警戒感がくすぶる中、ハイテクや金融などの銘柄が売られたことも相場の重荷となった。
10日の米債券市場では長期金利が前日終値に比べ0.07%低い(債券価格は高い)4.13%を付ける場面があった。金利低下の恩恵を受けやすい住宅関連株に買いが入った。ダウ平均の構成銘柄ではホーム・デポが2.2%高となった。景気敏感株の一角も上昇した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、クラウド監視のデータドッグが13.7%高で終えた。10日に発表した2025年10〜12月期決算では売上高などが市場予想を上回った。同社が手掛けるサービスへの需要の底堅さが示され、ソフトウエア業界に対する過度な悲観が和らいだとの指摘があった。
人工知能(AI)がソフトウエアを代替するとの思惑から前週に大きく下げた反動もあり、ソフト関連の一部が買い直された。市場では「AIがすべてのソフトウエア製品を置き換えるという見方は行き過ぎだ」との声が聞かれた。もっとも、買い一巡後は下落に転じる銘柄もあり、指数の重荷となった。
個人消費の減速に対する懸念がダウ平均の上値を抑えた。10日発表の25年12月の米小売売上高は前月から横ばいで、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.4%増)を下回った。「米経済が減速傾向にある可能性が浮上し、相場の重荷になった」との声が聞かれた。ウォルマートなど小売関連銘柄が売られた。
コカ・コーラは1.4%安で終えた。10日発表の25年10〜12月期決算では、売上高が市場予想を下回ったほか、同時に示した26年12月期通期の見通しも市場の期待に届かず売りが優勢だった。
11日には1月の米雇用統計の発表がある。失業率のほか、24年4月〜25年3月分の雇用者数の年次改定値に関心が集まる。米連邦準備理事会(FRB)の金融政策にも影響することから、主力株の一部に持ち高調整の売りが出たとの見方があった。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、ウォルト・ディズニーやトラベラーズ、スリーエム(3M)が上げた。ハネウェル・インターナショナルとシャーウィン・ウィリアムズも高かった。半面、アムジェンやJPモルガン・チェースが下落した。IBMとエヌビディアも安かった。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。終値は前日比136.196ポイント安の2万3102.474だった。ハードディスク駆動装置(HDD)のシーゲート・テクノロジーや半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが下げた。アルファベットやメタプラットフォームズも売られた。
〔ロンドン株10日 反落〕
10日の英FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比32.39ポイント(0.31%)安の1万0353.84で終えた。英石油大手BPや英スタンダードチャータード銀行に個別の材料を受けた売りが出て、指数を下押しした。
英BPは10日、2025年12月期決算とあわせて、財務強化へ向け自社株買いを停止する方針を示した。スタンダードチャータード銀は同日、最高財務責任者(CFO)の即日退任を公表したことが響いた。航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスを含む防衛・航空関連や鉱業の一部銘柄に売りが出た。
他方、製薬大手アストラゼネカが上昇。同社が25年12月期決算とあわせて公表した26年12月期の売上高見通し(為替変動の影響を除く)が投資家の安心感を誘った。日用品のユニリーバなど消費関連のほか、不動産関連、公益株が買われた。
FTSEの構成銘柄では、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが9.40%高、飲料大手コカ・コーラ・ヘレニック・ボトリング・カンパニーが4.68%高、住宅大手バークリー・グループが3.89%高と上昇。一方、BPは6.13%安、金融大手スタンダード・チャータードは5.74%安、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループは4.55%安と下げた。
〔ドイツ株10日 小幅反落〕
10日のドイツ株価指数(DAX)は小幅ながら3営業日ぶりに反落し、前日比27.02ポイント安の2万4987.85で終えた。DAXは前日終値を上回って推移する場面もあった。このところ欧州主要企業の決算発表が相次ぐなかで売買が交錯し、相場は明確な方向感に乏しく推移した。
欧州エアバスや保険のアリアンツなど時価総額が大きい銘柄に売りが優勢で、指数の重荷となった。保険・銀行株が下げた。半面、化学や自動車の関連銘柄に買いが入った。
DAXでは、香料大手シムライズが6.98%高、化学品商社ブレンタークが5.50%高、化学大手BASFが4.64%高と買われた半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは4.62%安、保険大手アリアンツは2.58%安、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.82%安で取引を終えた。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40はわずかながら3日続伸し、前日比0.05%高で終えた。「グッチ」を擁する高級ブランドの仏ケリングが大幅高となるなど消費関連の銘柄が買われた。一方で金融やエネルギー、防衛の関連銘柄が下げた。
