5日 米国▪︎欧州株式概況

〔米株式〕ダウ反落、592ドル安=巨額投資警戒、ハイテク株売り

5日のNYダウ工業株30種平均は反落し、終値は前日比592ドル58セント安の4万8908ドル72セントだった。ハイテク株が下げ止まらず、投資家がリスク回避姿勢に傾いた。代表的な暗号資産(仮想通貨)のビットコインの下落も、市場心理の重荷となった。

ソフトウエア関連を中心に売りが続いた。5日には人工知能(AI)開発新興のアンソロピックがコーディング機能を高めたAIモデルの最新版を発表。オープンAIも同日、AIエージェントの構築などを支援する新たな法人向けサービスを発表した。ソフトウエアの事業モデルを揺るがしかねないとの懸念につながった。

ダウ平均の構成銘柄ではないがアルファベットが前日発表した2026年通期の設備投資計画額は前期比2倍程度の最大1850億ドル(約29兆円)と、市場予想を上回った。AI開発競争が過熱する中、市場では「ソフトウエア需要が低迷する」(日系証券)との観測が改めて広がり、マイクロソフトとセールスフォースの売りが膨らんだ。

情報サイトのコインデスクによると、5日のビットコイン価格は前日夕の7万ドル台から6万2000ドル台に水準を切り下げる場面があった。ニューヨーク商品取引所では金先物が売られ、銀先物価格(3月物)は1割あまり下げる場面があった。仮想通貨や貴金属の不安定な値動きも、リスク回避姿勢につながった。

米労働市場を巡る不透明感も相場の重荷になった。5日発表の週間の米新規失業保険申請件数は前の週から増え、市場予想を上回った。5日に公表された25年12月の米雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が20年9月以来の低水準となった。

米調査会社チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマスは5日、米企業や政府機関が計画する1月の人員削減数が同月として09年以来の高水準と発表した。「季節要因や今後の傾向を見極めたいが雇用の先行き懸念は心理を湿らせた」という。

ダウ平均の下げ幅は670ドルを超える場面があった。市場の不安心理を映し「恐怖指数」とも呼ばれる米国株の変動性指数(VIX)は5日、前日比16%あまり高い21台と不安が高まった状態とされる20を超えた。

ダウ平均の構成銘柄ではアナリストが投資判断を引き下げたマイクロソフトのほか、セールスフォースの下げが目立った。5日夕に決算発表を控えていたアマゾン・ドット・コムも売られた。ユナイテッドヘルス・グループやゴールドマン・サックス、ナイキも安い。半面、トラベラーズやコカ・コーラは上昇した。

ナスダック総合株価指数は3日続落した。終値は前日比363.993ポイント安の2万2540.586だった。25年11月下旬以来の安値。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズやクラウド監視・分析のデータドッグなどが売られた。

半導体のクアルコムは8%安となった。4日夕発表の四半期決算と併せて示した26年1〜3月期の収益見通しが市場予想に届かず、アナリストによる投資判断の引き下げも嫌気された。

S&P500種株価指数は3日続落し、終値は前日比84.32ポイント安の6798.40だった。昨年末比でマイナスに転じた。

〔ロンドン株5日 反落〕

5日の英FTSE100種総合株価指数は反落し、前日比93.12ポイント(0.89%)安の1万0309.22で終えた。スイスのグレンコアと英豪リオティントを含む資源関連の銘柄に売りが優勢だった。英シェルなど石油株の下げも重荷だった。

リオティントが5日、グレンコアとの経営統合の可能性について検討をやめると公表した。グレンコアも5日、統合が合意に至らなかったと認めた。両社は今年1月、経営統合の協議に入ったと公表していた。国際商品市場で貴金属の不安定な値動きが続き、投資家の慎重姿勢が根強いことも影響して英アングロ・アメリカンなど他の鉱業株も下げた。

金融や不動産関連も下げた。一方で、前日までに株価水準を大きく切り下げていたIT(情報技術)関連の銘柄には値ごろ感からの買いが入り、英ロンドン証券取引所グループ(LSEG)、情報関連サービスのRELX、ソフトウエア開発のセージ・グループが上昇した。ヘルスケアや日用品の関連銘柄にも買いが入った。

FTSEの構成銘柄では、資源大手グレンコアが7.03%安、金融大手ナットウエストが6.02%安、産金大手フレスニロが5.83%安と下げを主導。他方、ロンドン証券取引所は5.80%高、製薬大手GSKは4.81%高、会計ソフト大手セージは3.05%高と買われた。

〔ドイツ株5日 続落〕

5日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比111.98ポイント安の2万4491.06で終えた。国際商品市場で貴金属が不安定な値動きを続けていることや、代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインの価格下落を背景に、投資家の慎重姿勢が根強い。

主要企業の業績など個別の材料を踏まえた売りが出たほか、5日の米国市場で主要な株価指数が下げていることも重荷となった。

DAXでは、防衛大手ラインメタルが2026年12月期の売上高見通しについて、市場予想を下回る水準を同社が示したと伝わり、材料視された。一部の金融機関がラインメタルの目標株価を引き下げ6.46%安、ドイツ銀行が3.94%安、コメルツ銀行が3.76%安と売り込まれた半面、ドイツ取引所は3.50%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは2.73%高、業務用ソフトウエア大手SAPは1.96%高で取引を終えた。

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.29%安で終えた。

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