〔米株式〕ダウ3日ぶり反落、179ドル安=FRB議長人事で

30日の米NYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落し、終値は前日比179ドル09セント安の4万8892ドル47セントだった。

トランプ大統領がこの日指名を発表した。市場では、ウォーシュ氏は利下げを進めるとみられている一方、「米国債の買い入れ規模を抑制する」との観測が台頭し、米長期金利が上昇。株式相場の重荷となった。最近急騰していた金や銀が暴落したことも投資家のパニックを引き起こし、株式の売りが加速した。ダウ平均の下げ幅は600ドルを超える場面があった。

トランプ氏がFRBに大幅利下げを繰り返し要求していることで、中央銀行の政治的独立性への懸念が高まっている。ただ、ウォーシュ氏は他に挙げられていた候補と比べてトランプ氏と一定の距離を保つと予想されており、外国為替市場ではドルの買い戻しが進んだ。

トランプ氏は30日朝に自身のSNSで、次のFRB議長にウォーシュ元FRB理事を指名すると投稿した。「市場は元FRB理事の指名におそらく安堵したが、想定ほど(利下げに積極的な)ハト派的ではないことへの懸念に移ったようだ」との指摘があった。

過去の言動からはウォーシュ氏が金融緩和に消極的なタカ派との見方もある。「もしウォーシュ氏が従来のインフレ警戒姿勢を維持すれば、トランプ政権の利下げ圧力を受けるFRBの独立性への懸念は和らぐだろう」との受け止めがあった。

30日朝発表の2025年12月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.5%上昇と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%上昇)を上回った。市場では「インフレのリスクが完全に消え去った訳ではないことを裏付けた」との声が聞かれ、株売りにつながった面があった。月末を控えた利益確定の売りも重荷となった。

30日のニューヨーク市場で金や銀の先物相場が大幅下落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で金先物は(中心限月4月)前日比11%安、銀先物(3月物)は3割ほど下げた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、金鉱山のニューモントや鉱山のフリーポート・マクモランといった関連銘柄に売りが出た。

トランプ氏と米連邦議会上院の野党・民主党指導部は29日、26会計年度の予算案で暫定的に合意した。現行のつなぎ予算案の期限は30日夜に迫る。上院は早ければ29日夜にも予算案を採決するとみられるが、下院での採決が週明けになり短期的に政府機関が閉鎖される可能性があると複数米メディアが報じた。

市場では「昨年10〜11月の政府閉鎖ほど長引かず、影響は限定的だろう」との見方があり、投資家心理への影響は限られた。

ダウ平均の構成銘柄では、ビザが3%安となった。29日夕に発表した25年10〜12月期の業績は市場予想以上だったが、国際決済に弱いトレンドがあるとの受け止めが重荷となった。30日朝に発表した25年10〜12月期の1株利益が市場予想以下だったアメリカン・エキスプレスも下げた。

アップルは0.4%高で終えた。25年10〜12月期の売上高が四半期として過去最高となり、26年1〜3月期の売上高見通しも市場予想を上回った。一方、経営陣は半導体メモリー価格の高騰が26年1〜3月期の売上高総利益率を押し下げる可能性を示唆し、上値を抑えた。

その他には、ユナイテッドヘルス・グループやナイキ、キャタピラーが売られた。半面、ウォルマートやメルクは高かった。30日発表の25年10〜12月期決算でそれぞれ売上高などが市場予想を上回ったシェブロンやベライゾン・コミュニケーションズも買われた。

月間では829ドル高と、9カ月連続で上昇した。17年4月〜18年1月の10カ月連続上昇以来の記録となる。

ナスダック総合株価指数は続落した。終値は前日比223.304ポイント(0.94%)安の2万3461.816(速報値)だった。メタプラットフォームズやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が下げた。

一方、メモリーのサンディスクが6.8%高となった。29日夕発表の25年10〜12月期決算で売上高や特別項目を除く1株利益が市場予想を大きく上回った。特にデータセンター向けの需要が強く、26年1〜3月期の見通しも市場予想以上だったことが買い材料視された。

テスラは3.3%上昇した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が率いる宇宙開発企業スペースXがテスラか人工知能(AI)開発企業のxAI(エックスエーアイ)との合併を検討していると米ブルームバーグ通信が29日夕に報じた。テスラと合併した場合、自動運転やロボティクス技術の追い風になるとの見方が広がった。

〔ロンドン株30日 続伸〕

30日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比51.78ポイント高の1万0223.54で終えた。前日は米ハイテク株安を背景に投資家が慎重姿勢に傾く場面があったが、30日は持ち高調整や業績期待からの買いが入った。

このところ相場上昇の勢いを強めていた金や銀といった貴金属に利益確定の売りが膨らんでいる。銅先物の値下がりも響き、鉱業株が下落した。

FTSEの構成銘柄では、前日発表した四半期決算の内容が好感され、一部金融機関が目標株価を引き上げた、金融大手ロイズ・バンキング・グループが3.32%高、医療機器大手スミス・アンド・ネフューが2.35%高、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンが2.34%高と相場をけん引。一方、通信大手エアテル・アフリカは6.61%安、産金大手エンデバー・マイニングは6.55%安、産金大手フレスニロは5.08%安となった。

〔ドイツ株30日 反発〕

30日のドイツ株価指数(DAX)は4日ぶりに反発し、前日比229.35ポイント高の2万4538.81で終えた。前日は2025年12月期決算を発表した独ソフトウエアSAPの株価下落や米ハイテク株安が投資家心理を冷やしたが、30日は持ち高調整の買いが入った。

DAXでは、25年10〜12月期決算とあわせて自社株買い計画を公表したスポーツ用品大手アディダスが3.94%高、前日に大幅安となっていた業務用ソフトウエア大手SAPが3.61%高、化学品商社ブレンタークが2.68%高と買われた半面、不動産大手ボノビアは0.89%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は0.87%安、防衛大手ラインメタルは0.78%安で取引を終えた。

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比0.68%高で終えた。

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