〔米株式〕
ダウ大幅反発、588ドル高=グリーンランド関税撤回で
21日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反発し、終値は前日比588ドル64セント高の4万9077ドル23セントだった。
米国によるデンマーク自治領グリーンランドの取得を巡って、トランプ米大統領が同日、欧州への追加関税を見送る考えを示した。米欧対立への懸念が後退し、主力株に買いが広がった。
トランプ氏は21日に世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説し、グリーンランドの取得について「武力を使いたくないし、使うつもりもない」と述べた。デンマークに対して「即時の交渉」を呼びかけた。
トランプ氏はこの日、自身のSNSへの投稿で、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長と会談し、グリーンランドの将来的な合意に関する枠組みを設けたと明らかにした。
これに伴い欧州諸国に来月1日から課す予定だった追加関税を取り下げたことで、通商摩擦が再燃するとの懸念が後退。金融やハイテクなど幅広い銘柄の買いが膨らんだ。
ダウの上げ幅は一時800ドルを超えた。
ただ市場では「枠組みの中身が分からない」(日系証券)と慎重な声も聞かれ、上げ幅が次第に縮小した。
「グリーンランドを巡る関税導入方針で金融市場が混乱したため、トランプ氏は方針を変えざるを得なかったのだろう」との指摘があった。
ダウ平均の構成銘柄ではアムジェンやエヌビディア、ナイキが上昇した。ユナイテッドヘルス・グループとシャーウィン・ウィリアムズも買われた。半面、マイクロソフトやプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が下落した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前日比270.503ポイント高の2万3224.825だった。マイクロン・テクノロジーやインテルといった半導体株の上昇が目立った。
半面、ネットフリックスが下落した。20日夕に2025年10〜12月期決算とあわせて発表した26年1〜3月期の見通しが市場予想を下回り、嫌気した売りが出た。
〔ロンドン株21日 反発〕
21日の英FTSE100種総合株価指数は小幅ながら4営業日ぶりに反発し、前日比11.31ポイント(0.11%)高の1万0138.09で終えた。トランプ米大統領が21日、デンマーク領グリーンランドの取得を目指すうえで武力行使の必要はないと言及した。グリーンランドを巡り米欧の対立が深まるとの警戒感が後退し、投資家心理の改善につながった。
市場では「(グリーンランド取得に向けて米国が)軍事行動に出る可能性は低いと思われていた。21日のトランプ氏の発言に市場が好意的に反応したのは、米政権がいかに予測不可能かということを示した」との受け止めが聞かれた。
FTSE100種指数は昼すぎまでは前日終値を下回って推移する場面が目立った。午後にトランプ氏の発言が伝わると水準を切り上げ、小幅高に転じた。国際商品市場での金の値上がりを背景に鉱業株が上昇。他方、英アストラゼネカなど製薬や銀行の一角が下げた。
FTSEの構成銘柄では、市場予想を上回る四半期鉄鉱石・銅生産量を発表した資源大手リオ・ティントが5.18%高と上昇率トップ。高級衣料のバーバリーが5.00%高、流通大手バンズルが4.88%高と続いた。
一方、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンが4.87%安、自動車保険のアドミラル・グループは4.16%安だった。
〔ドイツ株21日 続落〕
21日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落し、前日比142.14ポイント安の2万4560.98で終えた。
グリーンランド問題をきっかけに強まった米欧の貿易摩擦への警戒感が根強い。ただしトランプ米大統領が21日、グリーンランド取得へ向けて武力行使の必要はないとの認識を示すと投資家の過度な懸念が後退し、DAXは下げ幅を縮小した。
トランプ氏は21日、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)で演説した。グリーンランド取得に向けて即時の交渉を求めるとした一方で、武力を行使する必要はないと話した。発言を受けて防衛大手の独ラインメタル株には売りが膨らんだ。
DAXでは、ドイツ取引所(2.83%安)や通販大手ザランド(1.98%安)、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズ(1.86%安)が売られた反面、分子診断大手キアゲン(4.68%高)、化学大手BASF(3.53%高)などが買われた。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は小幅ながら8営業日ぶりに反発した。終値は前日比0.08%高の8069.17だった。
