〔米株式〕ダウ大幅続落、870ドル安=グリーンランド関税で
20日のNYダウ工業株30種平均は大幅続落し、終値は前週末比870ドル74セント安の4万8488ドル59セントだった。
下げ幅は10月上旬以来、約3カ月ぶりの大きさだった。
日系証券関係者は、トランプ氏はグリーンランドを巡り最終的に譲歩するとみる。ただ、今週はスイスで開催中の世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で「各国首脳らに強気の態度で臨む」とみられ、現時点では株を買いづらいと指摘した。
市場では、日本の長期金利の急上昇が投資家心理を圧迫したとの見方も聞かれた。衆院選後に消費税減税が実施され、財政が悪化するとの懸念が台頭している。
トランプ米大統領が17日にグリーンランドを取得するまで欧州8カ国に追加関税を課すと表明した。欧州は報復措置を検討しており、20日には欧州議会が欧州連合(EU)と米国が昨年7月に合意した貿易協定の承認を当面見合わせる可能性が伝わった。
トランプ氏はパレスチナ自治区ガザを巡る方針の違いからフランスに対してワインやシャンパンに200%の関税を課すことも示唆した。20日には自身のSNSで主要7カ国(G7)首脳会議の開催を提案するフランスのマクロン大統領からのメッセージを無断で公開するなど、欧州首脳との関係悪化が懸念された。
19日に開幕した世界経済フォーラム(WFE)年次総会(ダボス会議)で20日に演説したベッセント米財務長官はグリーンランドの安全保障上の重要性などを強調し、欧州に米国の関税措置に報復しないよう呼びかけた。トランプ政権はダボス会議で関係国と協議する見通しで、トランプ大統領は21日に演説する予定となっている。
グリーンランド問題での米欧摩擦が警戒され、投資家のリスク回避姿勢が強まった。「恐怖指数」とも呼ばれる米国株の変動性指数(VIX)は約2カ月ぶりに投資家の不安心理が高まった状態とされる20を上回った。
日本国債の利回り上昇などもあって米長期金利が一時4.3%台と約5カ月ぶりの水準に上昇したことも投資家心理を冷やした。金融市場は全般に不安定で、実物資産の裏付けがあって資金の逃避先となりやすい金先物は3%あまり上昇して過去最高値を更新した。
個別銘柄では20日に四半期決算を発表したスリーエム(3M)が7%近く下げた。人工知能(AI)半導体「H200」の中国向け出荷を巡る不透明感からエヌビディアも売られた。IBMとアマゾン・ドット・コムも安い。一方、ユナイテッドヘルス・グループやコカ・コーラ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)などディフェンシブ株が買われた。
ナスダック総合株価指数は大幅続落した。前週末比561.066ポイント安の2万2954.322と、約1カ月ぶりの安値で終えた。下落率は約3カ月ぶりの大きさだった。半導体のブロードコムが安い。メタプラットフォームズやテスラも下げた。一方、アナリストが投資判断を引き上げたインテルが上げた。半導体メモリーのサンディスクも買われた。
〔ロンドン株20日 続落〕
20日の英FTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比68.57ポイント(0.67%)安の1万0126.78で終えた。トランプ米大統領が、米国のグリーンランド取得に反対する欧州8カ国に対し追加関税を課す考えを示したのをきっかけに、米関税政策の不確実性が改めて意識されている。
株式相場が目先、不安定な動きになりやすいとの警戒もあり、投資家が慎重姿勢を強めた。リスク資産とされる株式に積極的な買いが手控えられたうえ、利益確定などの売りも出やすかった。世界的な長期金利上昇も嫌気された。
不動産投資信託(REIT)と公益、石油株が下げた。英アストラゼネカなど製薬のほか、金融に売りが優勢だった。防衛大手の英BAEシステムズを含め資本財関連の一角が下げた。他方、航空機エンジン大手ロールス・ロイス・ホールディングスが上昇。日用品のユニリーバや、スーパー大手テスコなど小売り関連の一部銘柄に買いが入った。
FTSEの構成銘柄では、包装資材大手モンディが4.65%安、保険大手ビーズリーが3.76%安、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスが2.93%安と下げを主導。一方、ビジネス情報会社インフォーマは4.56%高、大衆医薬品のヘイリオンは3.27%高、産金大手エンデバー・マイニングは2.73%高と買われた。
〔ドイツ株20日 続落〕
20日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比255.94ポイント(1.02%)安の2万4703.12で終えた。グリーンランド問題に絡み、トランプ米大統領が独仏を含む欧州8カ国に追加関税を課す考えを示したことをきっかけに、米欧の摩擦が激しさを増すとの警戒が続いている。投資家が慎重姿勢を強め、株式には売りが優勢となった。
欧米の長期金利上昇が嫌気されたほか、利益確定などの売りも出やすかった。
DAXでは、ヘルスケア大手フレゼニウスが4.56%安、不動産大手ボノビアが3.53%安、製薬大手バイエルが3.34%安と下落。
半面、ドイツ取引所は2.43%高、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは1.05%高、スポーツ用品大手アディダスは0.96%高で終了した。
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は7日続落した。終値は前日比0.60%安の8062.58と2025年12月10日以来の安値となった。
