〔米株式〕ダウ3日続落、94ドル安=年末で閑散商い
30日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、終値は前日比94ドル87セント安の4万8367ドル06セントだった。株式相場が最高値圏にあるなか、主力株の一角に持ち高調整の売りが出た。年末で市場参加者が少なく、小幅な値動きだった。
休暇を取得している市場参加者も多く、積極的な売買は控えられた。
米連邦準備制度理事会(FRB)はこの日、今月開催された連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨を公表。政策金利の引き下げを巡る会合参加者の意見相違が、改めて浮き彫りになったものの、日系証券筋は「相場への影響は限られた」と指摘した。
来年の追加利下げを巡って、大半の参加者が「インフレが想定通り落ち着けばさらなる利下げが適切だ」との見通しを示した一方、一部の参加者からは現在の経済見通しの下では政策金利を一定期間据え置くことが適切との判断が示された。
S&P500種株価指数は前週に最高値を付けた。
0.25%の利下げを決めた12月のFOMCでは2人が据え置きを求めて採決に反対した。同時に公表した政策金利見通しは据え置きを支持する参加者がほかにも複数いたことを示唆していた。
市場では議事要旨に対して「驚きのない内容だった」との受け止めがあった。株式相場の反応は限定的だった。
午前にはダウ平均が一時、小幅に上昇した。30日発表の12月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)が43.5と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(40.0)を上回り、株買いを促した。前日の株売りの一因となった貴金属相場の下落が一服したことも投資家心理を支えた。
ダウ平均の構成銘柄ではIBMやゴールドマン・サックス、ウォルマートが下落した。アメリカン・エキスプレスとメルクも安かった。半面、ユナイテッドヘルス・グループやシェブロンが上昇した。
ナスダック総合株価指数は3日続落した。終値は前日比55.269ポイント安の2万3419.080だった。テスラやマイクロン・テクノロジーが下落した。一方、メタプラットフォームズが上昇した。
中国発の人工知能(AI)新興企業マナスを買収すると29日に発表し、材料視された。
〔ロンドン株30日 反発〕
30日の英FTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。終値は前日比74.18ポイント(0.75%)高の9940.71と11月12日以来、約1カ月半ぶりに最高値を更新した。
前日に大幅に下げる場面があった貴金属や銅など非鉄金属先物の相場が上昇し、資源関連の銘柄が買われた。銀生産大手フレスニージョの上昇が目立ったほかスイスの資源大手グレンコア、英豪リオティントが買われた。
FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが6.83%高と急伸し、産銅大手アントファガスタが3.27%高、通信大手エアテル・アフリカが3.25%高で続いた。一方、産業・エネルギー会社のメトレン・エナジー・アンド・メタルズは0.67%安、信用リスク管理サービス会社エクスペリアンは0.64%安、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは0.58%安となった。
〔ドイツ株30日 続伸〕
30日のドイツ株価指数(DAX)は3日続伸した。前日比139.29ポイント(0.57%)高の2万4490.41と、最高値を付けた10月9日以来の高値で終えた。
年末とあって取引が低調ななか、持ち高調整などを目的とした買いが入った。
DAXは、2024年末比では23%上昇した。年間の上昇率としては19年以来6年ぶりの大きさで、30日終値は年末時点としては過去最高の水準となった。フランクフルト株式市場は31日と2026年1月1日が休場となる。
個別では、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.69%高、前日までに株価水準を切り下げていた防衛大手ラインメタルが2.29%高、製薬大手バイエルが1.63%高と上昇。
半面、自動車大手BMWは0.43%安、ドイツ取引所は0.22%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは0.17%安で終了した。
欧州株式市場ではフランスの株価指数CAC40が続伸し、前日比0.69%高で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600も上昇。終値は592.78と前日に続き最高値を更新した。
