一方、グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反を巡る裁判所の判決を受けて親会社のアルファベットが大幅上昇し、アップルも買われた。主力株の一角には引け間際に押し目買いが増えたとみられ、下げ渋って終えた。
この日発表された米雇用指標は求人数が市場予想を大幅に下回り、労働市場の弱さが意識された。トランプ米政権による相互関税の合法性や米財政を巡る懸念も根強く、ダウ平均は売りが優勢となった。
アルファベットは9.1%高、アップルは3.8%高。米連邦地裁が2日、グーグルは同社のウェブブラウザー(閲覧ソフト)「クローム」を売却しなくてよいと判断したことや、アップルに高額な対価を払ってスマホに検索エンジンを標準搭載してもらう契約を禁じなかったことが好感された。
市場参加者からは「アルファベットとアップルには空売りの買い戻しも入ったとみられる。投資家心理がそれほど強気だったわけではない」との見方が聞かれた。市場では、5日に発表される8月の米雇用統計を控え、様子見姿勢も強かった。
ダウ平均は300ドルあまり下げる場面があった。3日発表の7月の米雇用動態調査(JOLTS)で求人件数が718万1000件と、6月(735万7000件)や市場予想(740万件前後)を下回った。同日発表のベージュブック(米地区連銀経済報告)では消費の陰りなどが報告された。
米連邦準備理事会(FRB)のウォラー理事は同日の米CNBCのインタビューで9月の利下げ再開を支持するとともに、「労働市場が悪化する時は速い」と雇用の下振れリスクを改めて指摘した。
米財政悪化懸念や長期金利の先高観も投資家の慎重姿勢につながった。前週末に米連邦巡回区控訴裁判所がトランプ政権の相互関税などを憲法違反と判断した。最高裁でも同様の判断となれば、米政府が得る関税収入が縮小する。米財政赤字の拡大を招くうえ、関税と貿易政策を巡る不透明感が再び高まりかねない。3日の米債券市場ではJOLTS発表後に米国債利回りが低下したものの、未明には30年債利回りが節目の5%に達する場面があった。
ダウ平均の構成銘柄ではシェブロンやボーイング、アメリカン・エキスプレス(アメックス)の下げが目立った。スリーエム(3M)やメルク、ハネウェル・インターナショナルも安い。一方、ウォルマートやセールスフォース、IBMなどが買われた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比218.097ポイント(1.02%)高の2万1497.727で終えた。主要ハイテク銘柄ではテスラが上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反発し、前日比0.85%高で終えた。
