22日のNYダウ工業株30種平均は4日続伸し、前週末比66ドル27セント(0.14%)高の4万6381ドル54セントで終えた。
連日最高値を更新した反動から利益確定売りが優勢となり、ダウは下落して取引を開始した。
ただ、発売したばかりのiPhone17の需要の底堅さを踏まえ、アナリストが目標株価を引き上げたアップル株が急伸し、プラス圏に浮上。オープンAIへ最大1000億ドル(約15兆円)の投資を発表した半導体エヌビディアも買われ、相場が押し上げられた。
高値警戒感などからダウの上値は重かったものの、人工知能(AI)の成長期待に加え、米連邦準備制度理事会(FRB)が継続的に利下げするとの期待感が引き続き相場を下支えした。
エヌビディアは3.9%上昇した。オープンAIに最大1000億ドルを投資し、エヌビディアのシステムを活用する人工知能(AI)向けデータセンターを展開すると22日に発表。AI分野における優位性を保つとの期待から買いが入り、ほかの半導体関連株にも買いが波及した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、オラクルも6.3%上げた。22日に、新たな共同最高経営責任者(CEO)にクラウドインフラ部門のトップと産業部門のトップを任命したと発表したことが買い材料視された。
ダウ平均は安く始まり、一時280ドルほど下落した。トランプ米大統領は19日、企業が高度な外国人技術者の受け入れに使う就労ビザ(査証)「H1B」に年10万ドルの手数料を課す大統領令に署名した。外国人技術者を多く抱えるハイテク企業の打撃となるほか、米国の技術における優位性が揺らぎかねないとの見方が広がった。
米連邦準備理事会(FRB)は前週に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.25%の利下げを決めた。今後も緩やかな利下げが続くとの期待から、主要株価指数は前週末にも最高値を更新した。割高感や過熱感も意識されやすかった。
米連邦議会上院は19日、同日下院を通過したばかりの「つなぎ予算」を否決した。与野党は新しい会計年度が始まる前の9月末に向けて調整を行う。つなぎ予算案が成立しなければ政府機関の一部閉鎖に追い込まれる可能性があることも投資家心理の重荷になった面があった。
ただ、相場は次第に買いが優勢となった。市場では、「相場のモメンタム(勢い)に対する楽観がとても強い」との声が聞かれた。
その他のダウ平均の構成銘柄では、IBMやキャタピラー、セールスフォースが高かった。半面、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やボーイング、メルクは売られた。
ナスダック総合株価指数は3日続伸した。前週末比157.500ポイント(0.69%)高の2万2788.976(速報値)で終えた。3営業日連続で最高値を更新した。アナリストが目標株価を引き上げたテスラが買われた。
S&P500種株価指数も3日続伸した。前週末比29.39ポイント(0.44%)高の6693.75(速報値)で終え、前週末に引き続き最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
22日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前週末比470円高の4万5475円で終えた。同日は日経平均株価とダウ工業株30種平均がともに最高値を更新し、日本株先物は買いが優勢だった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
45475 ( +155 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
45555 ( +235 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
22日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発した。前週末に比べ10.01ポイント(0.10%)高の9226.68で終えた。資源関連株が上昇し、指数を支えた。もっとも、23日の米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演を見極めたいとの雰囲気が強く、上値は限られた。
FTSEの構成銘柄では、国際商品市場で金の相場が堅調に推移したことを受け、産金大手エンデバー・マイニングが6.86%高、同業フレスニロが4.57%高と急伸し、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが2.92%高で続いた。他方、酒造大手ディアジオは1.96%安、大衆医薬品のヘイリオンは1.71%安、飲料大手コカ・コーラ・ユーロパシフィック・パートナーズは1.65%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
22日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比112.36ポイント(0.47%)安の2万3527.05で終えた。収益見通しを引き下げたポルシェが大幅安となり、投資家心理の重荷となった。金融株などにも売りが出た。
個別では、この日から構成銘柄となった食品加工機器大手GEAグループと不動産検索サイト大手スカウト24がそれぞれ2.55%高、2.44%高と上昇。半面、ポルシェは8.22%安と電気自動車(EV)の開発計画を見直し、2025年12月期通期の収益見通しを下方修正すると前週末に発表したことが材料視された。業績見通しを引き下げ、売りが膨らんだVWは7.09%安と大幅に下落した。
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で、フランスの主要な株価指数であるCAC40は続落し、前週末比0.29%安で終えた。