171ドル安、ハイテク株を中心に利益確定売り

24日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比171ドル50セント安の4万6121ドル28セントで終えた。
 
米株式相場は米利下げ期待や企業業績の改善を手がかりに上昇が続き、主要3指数は22日にそろって最高値を更新していた。高値警戒感などが意識されるなか、24日は「特に買いを誘う材料がなかった」という。ダウ平均は朝方に上げる場面があったが、次第に下げに転じた。ハイテク株の一角が売られ、相場の重荷となった。


 米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は23日の講演で、インフレを巡る不確実性が依然高いと指摘する一方、雇用情勢の減速に対する懸念も表明。追加利下げについて慎重に判断する姿勢を示した。市場関係者は、今後の金融政策の手掛かりを得ようと、26日に発表される8月の米個人消費支出(PCE)物価指数などに注目している。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが半導体メモリーのマイクロン・テクノロジーが2.8%下げた。23日夕に発表した四半期決算や見通しは市場予想を上回ったものの、業績期待で決算発表前に上げていたため、材料出尽くし感から売られた。24日の米証券取引委員会(SEC)への届け出で、社債発行が明らかになったオラクルも下げた。報道によると約150億ドルを調達するという。
 
25日発表の週間の米新規失業保険申請件数や26日の8月の米個人消費支出(PCE)物価指数などを見極めたい投資家も多かった。米連邦議会が10月1日に始まる新会計年度に入った後も政府運営を続けるための「つなぎ予算案」を9月30日までに可決できなければ、米政府機関の一部閉鎖につながるとの懸念も投資家心理の重荷だった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではアムジェンやIBM、ゴールドマン・サックスが安い。アップルやエヌビディアも下げた。一方、ユナイテッドヘルス・グループやシェブロン、ウォルト・ディズニーが買われた。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比75.619ポイント(0.33%)安の2万2497.855(速報値)で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたデザインソフトウエアのアドビが安い。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズも下げた。
 
一方、テスラが買われた。取締役会が今月示した巨額の報酬案に関連して、イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がX(旧ツイッター)でテスラ経営の長期継続への意欲を示すと受け取れる投稿をしたことが材料視された。
 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

24日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比70円高の4万5375円で終えた。この日は米主要株価3指数が下落したものの、日経平均株価が連日で最高値を更新したのもあってシカゴ市場の日経平均先物には買いがやや優勢となった。
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
45375 ( -45 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
45460 ( +40 )
 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

24日の英FTSE100種総合株価指数は反発し、前日比27.11ポイント(0.29%)高の9250.43で終えた。国際商品市場で銅の先物価格が急伸し、英アングロ・アメリカンやアントファガスタといった鉱業株が買われ、指数を押し上げた。
 
国際指標となるロンドン金属取引所(LME)の銅3カ月先物は24日に一時1トン1万359ドル程度と2024年5月以来の高値を付けた。銅先物の値上がりは、9月上旬に事故が起きたインドネシアの銅鉱山で操業停止が長引き、銅生産に影響が出るとの見方が広がったため。同鉱山の運営に関わる米フリーポート・マクモランが24日、事故の影響が出ている鉱区での段階的な操業再開は2026年になるとの見通しを示した。
 
鉱業株のほか英BAEシステムズといった防衛・航空関連、石油や公益株に買いが優勢だった。他方、製薬を含むヘルスケア関連や、建機・産業機器レンタルのアシュテッド・グループが下げた。
 
FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが9.26%高と上げを主導。鉱業大手アングロ・アメリカンが4.70%高、防衛大手バブコック・インターナショナル・グループが4.33%高で続いた。他方、建機レンタルのアシュテッド・グループは2.33%安、エンジニアリング企業のIMIは2.00%安、医療機器のコンバテックは1.84%安となった。
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

24日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比55.48ポイント(0.23%)高の2万3666.81で終えた。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクが改めて意識された。欧州市場で防衛株に買いが優勢となり、ドイツでも防衛大手ラインメタル株が上昇した。
 
トランプ米大統領が23日、欧州の支援があればウクライナがロシアから全土を奪還できるとの考えを示した。同氏のロシアに対する姿勢の変化が、防衛関連の銘柄への買いにつながった。
 
個別では、コメルツ銀行が4.41%高、同社は8月に提示した自社株買い計画が当局の承認を得たとして、最大10億ユーロの自社株買いを25日に始めると発表した。防衛大手ラインメタルが3.48%高、通販大手ザランドが2.73%高と上昇。
 
半面、医薬大手メルクは2.70%安、商用車大手ダイムラー・トラックは1.87%安、香料大手シムライズは1.69%安と軟調だった。
 

■フランス・パリ株価指数

欧州株式市場でフランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.56%安で終えた。

 

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