3日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸した。前日比238ドル56セント高の4万6758ドル28セントで終え、4日連続で最高値を更新した。6日続伸は9連騰した4月下旬〜5月上旬以来、約5カ月ぶりだった。
1日から始まった政府機関の一部閉鎖が影響し、連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の展望を占う雇用統計は公表されなかった。手掛かり材料に欠けるものの、足元の労働市場の軟化傾向を踏まえ、FRBが今月の金融政策会合で「追加のリスク管理的な利下げ」(米金融大手)に踏み切るとの観測が台頭。恩恵を受ける金融株などに買いが入り、ダウの上げ幅は一時500ドルを超えた。
ただ、連邦議会でのつなぎ予算成立のめどが立たず、政府閉鎖の長期化懸念も浮上し、ダウは次第に上げ幅を縮めた。人工知能(AI)の成長期待を支えにこれまで買いが膨らんだハイテク株に利益確定の売りが出たことから、ナスダックはマイナス圏に沈んだ。
市場参加者は「出遅れ感のあったヘルスケア銘柄などに資金が流れた」と分析した。
米連邦準備理事会(FRB)による追加利下げ観測や米株式相場の先高観が意識された。主力株の上昇に出遅れていたディフェンシブ株などが買われ、割高感のあるハイテク株が下げる循環物色の動きがみられた。
同日発表の9月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数が50.0と8月やダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想の52.0を下回った。
1日発表の9月のADP全米雇用リポートで非農業部門の雇用者数が2カ月続けて減少し、労働市場の冷え込みが意識される。米連邦政府機関の一部閉鎖で3日の予定だった9月の雇用統計の発表は延期されたが、FRBが10月28〜29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利下げを継続するとの見方が強まっている。
10月半ばから本格化する決算発表シーズンでは景気が減速するなかでもハイテク企業を中心に堅調な業績が予想されている。市場では「年末にかけて株価上昇が続く」と強気な見方があり、株高に乗り遅れまいとする投資家からの買いもあった。
10月からの新会計年度の予算が成立していないことで1日から政府機関が一部閉鎖している。医療保険関連の項目を巡って与野党の対立が続いており、米連邦議会上院は3日もつなぎ予算案を否決した。
過去の政府閉鎖の米景気や株式相場への影響は限られたため、市場では警戒感は広がっていない。ただ、長引けば、想定以上に米経済活動を押し下げる可能性がある。
ダウ平均ではユナイテッドヘルス・グループやトラベラーズ、キャタピラー、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が高い。ビザやゴールドマン・サックスも上げた。一方、ナイキが下落。アマゾン・ドット・コムやエヌビディアも下げた。
ダウ平均は週間では2週間ぶりに上昇し、510ドル高だった。S&P500種株価指数は小幅に6日続伸した。前日比0.44ポイント高の6715.79で終え、3日続けて最高値を更新した。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日比63.545ポイント(0.27%)安の2万2780.506(速報値)で終えた。データ分析プラットフォームのパランティア・テクノロジーズが7%あまり下げた。米陸軍向けに提供するサービスでセキュリティー上の脆弱性が問題視されているとロイター通信が報じた。
アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やアプライドマテリアルズ(AMAT)の下げも目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
欧州株式市場で欧州主要600社の株価指数であるストックス600は6日続伸し、終値は前日比0.50%高の570.45(速報値)と連日で最高値を更新した。フランスの主要な株価指数であるCAC40は6日続伸し、前日比0.30%高の8081.54と3月以来の高値を更新した。
