2,065円高と大幅続伸 高市新総裁の政策期待、海外勢が先物買い

 
6日午前の日経平均株価は大幅に続伸し、午前終値は前週末比2065円86銭高の4万7835円36銭と最高値を上回った。上げ幅は一時2100円を超えた。
 
きょう前場は、リスクオンの流れが一気に加速する格好となった。4日の自民党総裁選では大方の予想を覆し高市早苗氏が勝利し、女性初の自民党総裁となった。これがサプライズとなり先物を絡めた大口買いを呼び込む格好となっている。高市新総裁は財政拡張と金融緩和路線を掲げており、株式市場には強力な追い風とみられている。外国為替市場での円安進行も味方に値上がり銘柄数は1400近くに達し、プライム市場全体の86%の銘柄が上昇した。売買代金も前引け段階で4兆円台と高水準に膨らんでいる。
 
4日投開票の自民党総裁選で高市早苗前経済安全保障相が新総裁に選ばれた。財政拡張的な政策が進むとの見方から海外投機筋が株価指数先物に断続的に買いを入れ、日経平均を押し上げた。急速な円安進行を受け、トヨタなどの自動車株も買われた。
 
高市氏の新総裁選出を市場は驚きを持って受け止め、6日の東京市場では円安・株高が進む「高市トレード」の様相が強まった。円相場は1ドル=149円台後半と前週末から2円以上、円安に振れた。個別では高市氏の政策関連をテーマに防衛関連の代表格である三菱重が株式分割考慮ベースの上場来高値を更新し、川重やIHIも上げた。原発関連として東電HDや関西電のほか、グロース市場では、アストロHDやQPS研究所といった宇宙株なども上昇した。
 
市場では「積極財政の考えを持つ高市氏の勝利は日本株にポジティブ。高市氏が示してきた政策や主張から防衛・宇宙・通信など上昇しそうなセクターのイメージが描きやすかった」との指摘があった。
 
後場の日経平均株価は、堅調な展開が継続しそうだ。高市氏は緩和的な金融政策を支持しており、日銀の追加利上げ観測の後退もポジティブに働いている。閣僚人事や野党との連立の行方が焦点となるため今後の動向には注目しておきたいが、売る材料には乏しく、買い手優位の状況が続こう。そのほか、今週は日米とも主だった経済指標の発表は少ないが、週を通してノーベル賞の発表が相次ぐこととなる。関連しそうな銘柄群への先回り的な動きなどは注目しておきたい。
 


東証株価指数(TOPIX)は大幅に続伸した。前引けは89.51ポイント(2.86%)高の3218.68となり、最高値を上回った。

前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で4兆965億円、売買高は15億7139万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1396。値下がりは197、横ばいは23だった。
 
業種別では、機械、電気機器、不動産業などを筆頭に多くの業種が上昇、銀行業のみ下落した。
 
個別では売買代金トップとなったアドバンテストが大幅高に買われたほか、売買代金2位の三菱重工業や同3位の東京エレクトロンなども活況高となった。ソフトバンクグループ(SBG)、川崎重工業、日立製作所なども物色人気に。ダイキン、信越化学、レーザーテック、安川電機、日本製鋼所が値を飛ばし、古野電気はストップ高に買われた。
 
半面、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクは冴えない値動きとなり、しずおかFG、横浜フィナンシャルグループ、千葉銀、りそなHD、ふくおか、三井住友、みずほ、あおぞらなどの銘柄は下落し、楽天銀行も大きく値を下げた。レノバが急落、FIG、神戸物産なども大幅安。ニトリHD、良品計画、ディー・エヌ・エー、三井金属、トクヤマが下げた。
 
 

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