24日午前の日経平均株価は大幅に続伸し、前引けは前日比812円18銭高の4万1983円50銭だった。2024年7月11日以来、約1年ぶりに4万2000円台に乗せる場面があった。
前日に引き続き大きく買い優勢の地合いとなった。前日に明らかとなった日米関税交渉の電撃的な合意を受けて同日の日本株が大きく買われた後、この流れが欧米株市場にも波及し、米国株市場ではNYダウが約半年ぶりに年初来高値を更新。日本に続いて他の国々においても米国との関税交渉が進展するとの期待が高まった。一部報道で米国と欧州連合(EU)の合意が近いと伝わったことも追い風となった。日経平均は800円を超える上昇で一時4万2000円台に乗せた。TOPIXは昨年7月につけた終値ベースの最高値(2929.17)を上回っている。値上がり銘柄数は全体の8割強に達した。
日米関税交渉の合意を好感して前日の米株式相場が上昇し、日本株は連日の急伸となった。日本以外の各国と米国との間でも貿易交渉が進展するとの期待が高まっており、短期資金を中心に運用リスクをとる動きが加速した。
23日のNYダウ工業株30種平均は半年ぶりに年初来高値を更新し、24年12月以来の高値を付けた。ナスダック総合株価指数と多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は最高値を更新した。米欧の貿易協議の合意への期待感が株価を押し上げた。米国は中国とも月内に閣僚協議を開く見通しで、ベッセント米財務長官は8月12日と定めている一部関税停止の期限を延長する可能性について協議すると説明。米関税政策による世界景気の悪化懸念が後退したとの受け止めが広がり、投資家心理が強気に傾いた。
前日の日経平均は日米合意を受けて1396円高と急伸したが、戻り待ちや利益確定の売りは目立たない。海外短期筋などは連日で日経平均先物に断続的な買いを入れているようだ。国内では与党の参院選大敗を受け、石破茂首相の退陣を求める声が自民党内で強まっている。市場では「財政規律派の石破氏が退陣すれば、次期政権が財政拡張的な政策を進めるとの思惑も日本株買いを後押しした」との声が聞かれた。
後場の日経平均株価は、前場の上昇基調を維持すると予想される。米関税交渉の合意のインパクトは大きく、引き続き買い参入のタイミングを捉えた短期勢の追加買いが入りやすい環境だ。業種別では自動車や精密機器、銀行株などが相場全体を牽引し、株式市場全体が活況を帯びる展開が予想される。国内企業の好決算や自社株買いマインドも引き続き買い材料となろう。総じて後場も強気ムードが続き、一段高を試す動きが期待されるだろう。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは54.46ポイント(1.86%)高の2980.84で、24年7月11日につけた取引時間中の最高値(2946.60)を上回った。JPXプライム150指数は続伸した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆8231億円、売買高は11億614万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1395。値下がりは193、横ばいは35だった。
業種別では、精密機器、ゴム製品、銀行業などを筆頭に全業種が上昇した。
個別では、トヨタ自動車やホンダ、SUBARUといった自動車株が前日の大幅高に続いて堅調な動きに。三菱重工業が水準を切り上げ、ソフトバンクグループ(SBG)、良品計画、フジクラ、アドバンテスト、日立、ファーストリテイリング、ソシオネクスト、ソニーグループも値を上げた。三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友などメガバンクも高い。ほか、KOAがストップ高カイ気配。25年1-6月期決算発表を好感されたブロンコビリーが大幅高、オービックビジネスコンサルタント、信越ポリマー、キヤノンMJなどが値上がり率上位となった。
一方、サンリオ、オリエンタルランドなどのIP関連株が軟調に推移。楽天グループ、メルカリが軟調。日本航空電子工業が大幅安となった。また、第一三共、三井E&S、三井海洋開発、メルカリなどが下落した。ほか、日本航空電子工業、ジェイテックコーポレーション、GMOフィナンシャルゲートなどが値下がり率上位となった。
