反発、欧米株高受けリバウンド狙いの買い優勢

 

5日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比254円29銭高の4万0544円99銭だった。
 
きょう前場は幅広い銘柄にリスク選好の地合いとなり、日経平均はリバウンドに転じている。前日は米雇用統計の下振れを契機に大きく下値を探ったが、きょうはその反動で買い戻され、前引け時点で前日の下げ分の半分を取り戻す形となった。前日の欧米株市場がほぼ全面高で切り返したことで、市場センチメントが改善した。
米連邦準備理事会(FRB)による利下げ期待の高まりから主要3指数が上昇した。米株高の流れを受け、東京株式市場でも朝方から幅広い銘柄に買いが優勢となり、日経平均の上げ幅は300円を超える場面があった。買い一巡後は伸び悩む場面もあったが、前引けにかけて締まった。
 
米金利先物の値動きから市場が織り込む政策金利予想を算出する「フェドウオッチ」によると、FRBが次回の9月会合で利下げする確率は9割ほどとなっている。米ゴールドマン・サックスは9月会合について0.25%の利下げを予想しつつ「8月分の雇用統計で失業率が再び上昇すれば、利下げ幅が0.5%になる可能性がある」と指摘した。
 
4日の米株式市場ではダウ工業株30種平均は前週末比585ドル高と6営業日ぶりに反発。米雇用情勢の悪化を背景にした1日の下げ幅(542ドル)を取り戻すなど、米株式相場の先高観が再び強まった。ナスダック総合株価指数は2%近く上げた。米ハイテク株高を背景にソフトバンクグループ(SBG)などが買われ、指数を押し上げた。
 
国内企業の決算発表が本格化するなか、前日に四半期決算を発表した川崎汽や三菱UFJ、ロームがそれぞれ上昇するなど、個別に材料が出た銘柄を物色する動きも日本株の追い風となった。米国で産業用コネクターを手掛ける企業が通信ネットワーク企業のケーブル部門の買収で合意したことから、光ファイバーケーブル需要の高さを期待した買いが古河電やフジクラなどに入った。
 
後場の日経平均は、引き続き上昇基調が続きそうだ。米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待を背景に、昨日の米株高を受けた買い余地が依然広がっており、半導体・ハイテク関連株を中心に物色の動きが強まるだろう。国内企業の好決算銘柄にも押し目買いが入りやすく、前場上昇を主導した銘柄群の出直り買いが後場の上値を支え、さらなる上昇余地を狙う動きが活発化しそうだ。調整売りリスクは限定的とみられ、一段上値を試す展開が予想される。
 

 

 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは22.07ポイント(0.76%)高の2938.27だった。JPXプライム150指数も反発し、8.07ポイント(0.64%)高の1272.76で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2449億円、売買高は10億1355万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1338。値下がりは251、横ばいは31だった。
 
 
業種別では、非鉄金属、電気・ガス業、証券・商品先物などが値上がり率上位、水産・農林業、海運業、医薬品が値下がり率上位に並んでいる。
 
個別では売買代金トップとなっている三菱重工業が堅調、川崎重工業、IHI、フジクラも活況高。東京電力ホールディングスが大幅高に買われた。古河電気工業、住友電工、イビデンが値を飛ばし、ソフトバンクグループも頑強な値動き。また、前日の大幅増益決算を好感されたオルガノがストップ高に買われ値上がり率首位、NTN、TOKYO BASEも値を飛ばした。
半面、ディスコ、東京エレクトロンが軟調、良品計画も売られた。サンリオ、日本製鋼所も冴えない。LINEヤフーは値下がり率トップとなった。東京精密が急落、あすか製薬ホールディングスも大幅安だった。

 

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