「バックトゥーザフューチャー」
NY株式市場は続伸。
S&P500は終値での過去最高値を連日で更新した。
「iPhone」の新モデルを発表したアップルは軟調。
しかしNASDAQは終値ベースの最高値を更新。
背景は警戒感と懸念の後退。
安全資産としての債券が売られ国債利回りが上昇したことで金融セクターが上昇した。
10年債入札は、最高落札利回りが2.18%と昨年11月以来の低水準。
応札倍率は2.28倍と、前月(2.23倍)をやや上回ったが平均(2.42倍)を下回った。
30年債利回りは2.775%と前営業日の2.739%から上昇。
一時2.788%と3週間ぶり高水準をつける場面があった。
債券利回りの上昇を受けドル円はドル高円安トレンド継続。
14日発表予定の8月の米消費者物価指数が注目されている。
「ショートポジションが膨らんでいることを踏まえると、
インフレ率が予想を上回ればドルは一段と上昇する可能性がある」と言う声も聞こる。
8月のインフレ率が5年超ぶりの高水準となったことを受け英ポンドが対ドルと対ユーロで上昇。
「安全資産買いを巻き戻す動き=リスクオン」という格好。
米国勢調査局が12日公表した2016年の家計所得の中央値は5万9000ドル。
15年の5万7200万ドルから3.2%増加。
1999年に記録した5万8665ドルを上回って過去最高となった。
貧困率は13.5%から12.7%に下がって07年の12.5%に近づいた、
米経済が07~─09年の間に失った富をほぼ取り戻したことになる。
賃金が停滞しているにもかかわらず所得が増加した背景は労働時間が長くなった人の増加。
米国内で貧困状態にあるのは約4060万人。
2015年に比べて250万人減少。
14年よりは600万人減少。
代別ではシニア層以外のすべてで貧困者が減ったという。
意外高という印象だった日経平均。
上昇は予想されたものの終始19700円台をキープというのは強い動きだった。
火曜の後場から上昇幅を拡大したのは久しぶり。
大幅続伸で8月8日以来約1カ月ぶりの水準を回復した。
「買い戻し中心。先物中心」という指摘があるが新高値銘柄は180(前日144)。
現物が高値を取っている事実は見逃すべきではないだろう。
新安値はわずかに6銘柄だった。
月曜が270円高、火曜が230円高で2日合計500円高。
「火曜の上昇幅をもう一回乗せれば8月8日以来の2万円台の大台回復。
9月1日の19691円を上抜いてW底形成。
月足は陽線に転じた。
戻りを試すという言葉が久々に実感を持ってきた」という声も聞こえる。
9月8日現在の信用買い残は2兆6858億円と前週比231億円減少。
2週連続の減少となった。
「個人投資家が信用買いの持ち高を処分する売りが出て買い残が減少」との解釈。
信用売り残は前週比236億円少ない9138億円だった。
減少は2週連続。
4月17日の安値期日到来での踏みはまだある可能性があろうか。
9月SQ値19278円に対しては2勝1敗。
25日線19543円からは1.2%のプラス乖離。
75日線19861円が当面のメドとなってきた。
225先物大証夜間取引終値は日中比100円高の19730円。
現物換算では19860円レベルだ。
勝手雲の上限19682円を抜けて青空に飛び出した形は悪くない。
ボリンジャーのプラス1σ19719円が今度はサポートライン。
ドル円の110円台を踏まえればプラス2σ19895円を目指しても悪くはなかろう。
10年国債利回りが0.025%とプラスに転じたのも好材料だ。
空売り比率も37.3%(前日39.3%)まで低下。
日経VIも13.67まで低下。
225採用銘柄のPERは13.97倍だから14倍超えも見ることができるかも知れない。
EPSは1415円まで復活してきた。
今日上昇すれば3日続伸。
今年の続伸は4日までだからあと1日の余裕はある。
市場関係者からのメール。
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今朝の夢はリアルな「バックトゥーザフューチャー」。
約30年前の世界で、自分の住んでいる世界へ。
まだ証券会社に入社する前でした。
30年前に「伝えたい事」が2003年と2008年の相場。
日経平均が7000円台が底といったこと。
ただなかなか過去の自分に伝えることが出来ず、もどかしさは映画通り。
昔の友人が未来の私に聞くことは、将来結婚しているか、子供は何人いるかなど。
もっと違うこと聞けよと思っていたら、近くで火の手が上がり、
警報が鳴りだしたと思ったら目覚ましが鳴りました。
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昭和電工(4004)・・・動兆
昭和電工に注目する。
同社はハードディスク外販首位。
石油化学、電子材料用ガス、アルミ、電炉用黒鉛電極などが拡大。
業績は絶好調で高進捗。
黒鉛電極に期待感。
化学は景気の主役。
(兜町カタリスト櫻井)
