ダウ反落244ドル安、エヌビディア決算控え様子見

28日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比244ドル95セント(0.57%)安の4万2098ドル70セントで終えた。28日の取引終了後にエヌビディアが2025年2〜4月期決算を発表するのを控えて持ち高調整の売りが主力株に出た。米連邦準備理事会(FRB)の利下げが目先は見込みにくいとの観測も株価の重荷だった。
 
エヌビディアはこの日の取引終了後に決算を発表。日系証券筋はこれに先立ち、「米政府による半導体の対中輸出規制の影響や、製品の需要見通しなどに関する説明に注目している」と語った。この日は前日の米株式相場が大幅高となった反動から利食い売りも出やすかった。

 また午後には、トランプ政権が半導体設計ソフトを提供する米企業に対し、中国企業に対するサービス提供を停止するよう指示したとの英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道が嫌気されてダウは下げ幅を拡大した。
 
FRBが28日に公表した米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(6〜7日開催分)によると、参加者らは「経済見通しを巡る不確実性はさらに高まっている」との見解で一致した。金融政策の判断にあたっては、トランプ米大統領による関税政策の影響が明らかになるまでは「注意深く取り組むのが適切だ」とした。利下げに慎重な姿勢が改めて示され、ダウ平均は下げ幅を300ドルあまりに広げる場面があった。
 
米長期金利は4.4%台後半と前日終値(4.44%)を上回っている。金利と比べた相対的な割高感が意識されたことも主力株への売りを促した。
 
フィナンシャル・タイムズは28日午後、トランプ政権が半導体設計ソフトを手掛ける企業に対して中国への販売を停止するよう伝えたと報じた。半導体を巡る対中規制の強化に対する懸念が広がり、エヌビディアが下げた。ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体設計ソフトのケイデンス・デザイン・システムズが急落した。
 
ダウ平均の構成銘柄ではメルクやナイキ、シェブロンが下落した。ゴールドマン・サックスにも売りが出た。半面、ユナイテッドヘルス・グループとボーイングは上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は反落した。前日比98.225ポイント(0.51%)安の1万9100.938(速報値)で終えた。アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株のほか、テスラが下げた。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

28日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比480円安の3万7870円で終えた。この日は米主要株価指数が軟調だったため、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが波及した。

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

28日の英FTSE100種総合株価指数は反落し、前日比52.04ポイント(0.59%)安の8726.01で終えた。米関税政策を巡る警戒感が根強い。ドイツやフランスなど他の欧州の株式相場が下げ、英国株にも売りが優勢となった。
 
FTSEの構成銘柄では、ホームセンター大手キングフィッシャーが3.55%安、流通大手セインズベリーが3.07%安、金融大手ロイズ・バンキング・グループが2.37%安と下げを主導。一方、産金大手エンデバー・マイニングは2.06%高、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスは2.01%高、学生向け住宅の開発・運営を手掛けるユナイト・グループは1.83%高となった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

28日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比188.30ポイント(0.77%)安の2万4038.19で終えた。米国と欧州連合(EU)の貿易交渉の成り行きを見極めたいと、慎重な見方が根強い。
 
米東部時間28日夕に米半導体大手エヌビディアが公表する四半期決算にも投資家の関心が向かう。DAXが最高値圏で推移するなか、持ち高調整や利益確定の売りが出やすかった面もある。
 
個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが4.21%安、通販大手ザランドが3.16%安、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが2.46%安と下落。半面、自動車大手BMWは4.32%高、同業メルセデス・ベンツは2.71%高、自動車部品大手コンチネンタルは1.39%高で取引を終えた。

■フランス・パリ株価指数

フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.49%安で終えた。

 

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