18日のNYダウ工業株30種平均は小幅に続落し、前日比44ドル14セント(0.10%)安の4万2171ドル66セントで終えた。
米連邦準備制度理事会(FRB)がこの日の会合で利下げを急がない姿勢を示したほか、中東情勢の先行き懸念が重荷となり、小幅続落した。
イスラエルとイランの軍事衝突で中東情勢の先行き懸念が広がっており、投資家心理を圧迫している。トランプ米大統領は17日、ホワイトハウスで国家安全保障会議(NSC)の会合を開き、イスラエルと交戦するイランへの軍事介入について本格的検討に着手した。空爆の可能性をちらつかせる米国に対し、イランは中東地域の米軍基地にミサイルで反撃する構えで、紛争拡大の懸念が強まっている。トランプ氏は18日、記者団に対し、イラン攻撃について「やるかもしれないし、やらないかもしれない。誰も分からない」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)は18日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置いた。パウエルFRB議長は利下げを急がない姿勢を改めて示し、主力株の一角には売りが優勢となった。中東情勢の緊迫化も市場心理の重荷となった。
FRBは市場の予想通り、政策金利を4.25〜4.5%で据え置くことを決めた。会合後に公表したFOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)では2025年末の予想中央値は0.25%の利下げ2回を示す水準を維持した。声明文では「経済の見通しを巡る不確実性は減少したものの、高まったままだ」と指摘。米関税政策によるインフレや雇用への影響を見極める姿勢を示した。
会合後に開いた記者会見でパウエル議長は「不確実性があるにもかかわらず、経済は堅調」と語った。「労働市場は利下げを叫んでいる訳ではない」とも指摘。インフレについては米関税政策による影響が夏に一段と出てくるとの予想を示した。「当面は政策スタンスの調整を検討する前に経済が向かいそうな道筋をより理解するために待つのに適した状態にある」と話した。
市場では「彼ら(FRB高官)は様子見姿勢であるのは明らかで利下げを急ぐ要素はない」と受け止められた。5月の米消費者物価指数(CPI)など直近の物価指標は市場予想を下回っていたが「FRBはインフレ懸念を弱めていない。労働市場が大きく崩れない限り利下げ判断は難しそうだ」との見方もあった。
個別銘柄ではビザやボーイング、セールスフォース、アマゾン・ドット・コムが売られた。一方、ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、メルクは買われた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比25.182ポイント(0.12%)高の1万9546.273(速報値)で終えた。テスラやインテルが買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比410円高の3万8640円で終えた。この日は日経平均株価が上昇したほか、ハイテク株の比率が高い米ナスダック総合株価指数も底堅く推移し、シカゴ市場の日経平均先物には買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38640 ( -210 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38745 ( -105 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
18日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に反発し、前日比9.44ポイント(0.10%)高の8843.47で終えた。イスラエルとイランの軍事衝突を巡り、米国がイスラエルの軍事作戦に加わるかもしれないとの警戒が強まっている。中東情勢の不透明感に加え、18日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控えているとあって様子見の雰囲気が広がった。
英金利の低下を背景に、不動産投資信託(REIT)が上昇した。空運やたばこ、金融にも買いが入った。一方で製薬の英GSKなどヘルスケア関連や資源に売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが2.53%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が2.08%高、保険大手アビバが1.85%高と上伸。他方、システムキッチンメーカーのハウデン・ジョイナリーは2.57%安、製薬大手GSKは2.06%安、建機レンタルのアシュテッド・グループは1.93%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
18日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比116.84ポイント(0.49%)安の2万3317.81で終えた。イスラエルとイランの軍事衝突で中東情勢が緊迫しており、投資家心理の重荷となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に、積極的な買いが手控えられた面もあった。18日の米株式相場が底堅く始まったことはDAXを下支えした。
個別では、コメルツ銀行と航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズがともに2.96%高、不動産大手ボノビアも2.19%高と買われた。半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは2.55%安、化学品商社ブレンタークは2.35%安、商用車大手ダイムラー・トラックは2.18%安で終了した。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.35%安で終えた。
