翌日に米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策決定を控え、公表予定の政策金利見通しが注視される中、この日発表の物価指標が市場予想よりも上振れした。インフレの根強さが警戒されて投資家の利下げ期待がしぼみ、ハイテク大手を中心に売りが先行した。
パウエル議長の記者会見とあわせて、内容を確認したい雰囲気があった。FOMCの結果発表の前に「利益確定売りが出やすかった」との声が聞かれた。
大手ハイテク株が軒並み売られたことも相場を押し下げた。ダウ平均の構成銘柄ではエヌビディアが3%安で終えた。ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が同社が開催する年次開発者会議「GTC」で18日に講演したが、前週に週間で8%近く上昇した後で18日は売りが優勢だった。ダウ平均の構成銘柄以外では、アナリストが目標株価を引き下げたテスラやメタプラットフォームズへの売りが目立った。
政策や地政学リスクを巡る先行きの不透明感も引き続き投資家心理の重荷となった。米政権による関税政策が物価高や景気減速につながるとの懸念は根強い。18日発表の2月の米輸入物価指数は前月比0.4%上昇し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(横ばい)を上回った。18日にはイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃を再開し、中東の地政学リスクも意識された。
トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は18日に電話協議した。ロシアとウクライナの停戦交渉において、エネルギー関連やインフラ施設に対する攻撃を30日間停止する案に合意したと伝わった。ただ、米国が提案した即時の全面的な停戦には至らなかった。
個別銘柄ではIBMやウォルマート、シャーウィン・ウィリアムズが売られた。アマゾン・ドット・コムやマイクロソフトも下げた。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやユナイテッドヘルス・グループなどディフェンシブ株は買いが優勢だった。シェブロンも上昇した。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比304.547ポイント(1.71%)安の1万7504.117(速報値)で終えた。大手ハイテク株が売られたほか、半導体のブロードコムやビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズの下げも目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比155円安の3万7535円で終えた。この日は日経平均株価が上昇した一方で米主要株価指数が下落し、シカゴ市場の日経平均先物には売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
37535 ( -85 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37650 ( +30 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日続伸し、前日比0.50%高で終えた。
