25日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前週末比53ドル50セント安の2万2296ドル09セントで取引を終えた。
トランプ大統領の発言を北朝鮮外相が宣戦布告と受け止めたことが報じられ、地政学リスクへの警戒感から売りが先行した。ハイテク株に売りが広がった。
ダドリーNY連銀総裁が中期的にインフレ目標は達成に向かい、金融緩和が縮小するとの認識を示したことで、追加利上げ観測の上昇も嫌気され、終日軟調推移となった。
新型スマートフォンの販売を巡る不透明感が強く、アップル株は4日続落した。最高経営責任者(CEO)の株式売却を発表した交流サイト(SNS)のフェイスブックは大幅安となった。アルファベット(グーグル)や画像処理半導体(GPU)のエヌビディアなど、高値圏にあったハイテク株全般に売りが広がり、相場を押し下げた。
北朝鮮の外相が25日、トランプ米大統領の最近のツイッターへの投稿を巡り「明確な宣戦布告だ」と述べ、武力での自衛の可能性を主張した。両国の対立が深まるとの警戒感が強まり、ダウ平均の下げ幅は昼前に130ドルを超えた。
一方、需給改善の観測からNY原油先物相場が一時、期近物としてほぼ5カ月ぶりの高値を付けた。原油高を好感してエクソンモービルなど石油関連株が買われ、相場を支えた。
ナスダック総合株価指数は反落し、同56.329ポイント安の6370.593で終えた。
セクター別では、エネルギーや自動車・自動車部品が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが下落した。
個別では、ソフトバンクグループ傘下の米携帯電話大手スプリントが8%下落。同業のTモバイルUSとの統合に関し「ソフトバンクが現在の時価総額をもとにした株式交換を受け入れる」と報じられたのが売りを誘った。Tモバイルも下落。ディスカウントストアのターゲット(TGT)は段階的な時給引き上げを発表し、売られた。
一方、証券会社による目標株価の引き上げが伝わった自動車のゼネラル・モーターズ(GM)が上昇。産業ソリューション事業の売却を発表したゼネラル・エレクトリック(GE)も高い。
NYダウ工業株30種(ドル)
22,296.09-53.50
S&P500種
2,496.66-5.56
ナスダック
6,370.593-56.329
米10年債利回り(%)2.2198 -0.042
米2年債利回り(%)1.4271 -0.016
NY原油(ドル/バレル) 52.12-0.10
円・ドル111.71 – 111.72 -0.52
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経平均先物は小幅続落した。12月物は前週末比20円安の2万0180円で引け、同日の大取終値を90円下回った。
北朝鮮情勢の緊迫化への懸念を背景に円高と米株安が進み、日本株相場を下押しした。この日の12月物安値は2万0105円、高値は2万0315円。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
20180 ( -90 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
20205 ( -65 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7301.29(-9.35)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前週末終値に比べ9.35ポイント安の7301.29で引けた。金融株の下げが指数を押し下げた。上昇と下落の銘柄数はほぼ拮抗。
金融株が売られた。銀行のロイズ・バンキング・グループとスタンダードチャータード銀行、保険のプルーデンシャルの下げが目立った。
銅の価格安を背景に、鉱業株も下落した。アングロ・アメリカンとアントファガスタはともに3%超下がった。
半面、原油相場の上昇を受けて、石油のBPとロイヤル・ダッチ・シェルが買われ、株価指数の下値を支えた。アストラゼネカなど医薬品株も上がった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12594.81(+2.46)
ドイツ株式指数(DAX)は小反発した。終値は前週末比2.46ポイント高の12594.81だった。
アナリストが投資判断を引き上げた医薬・農薬大手のバイエルが上昇した。医薬・化学大手の独メルクと日用品のバイヤースドルフも買われた。一方で、電力のRWEとハイデルベルクセメントは下落した。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5267.13(-14.16)
