26日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比188ドル04セント安の4万3433ドル12セントで終えた。
トランプ氏はこの日、欧州連合(EU)からの輸入品に関税を課す考えを表明し、「間もなく発表する。一般的に言えば、(税率は)25%だ」と述べた。関税が発動されれば米欧双方の経済への悪影響が懸念され、相場の重しとなった。
ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面があった。
米景気の減速懸念も引き続き相場の重荷だった。26日発表の1月の米新築住宅販売件数は前月比10.5%減と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(3.9%減)を下回った。寒波など天候の影響に加え、住宅ローン金利の高止まりが販売件数の落ち込みにつながったとみられている。
午前の取引でダウ平均は240ドルあまり上昇する場面があった。このところ下げが目立っていたハイテク株の一角に見直し買いが入り、相場を支えた。26日の取引終了後に四半期決算を発表するエヌビディアは3%あまり上昇した。
そのほかのダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやメルクといったディフェンシブ株が売られた。アップルとボーイングも安かった。半面、シャーウィン・ウィリアムズとウォルト・ディズニーが買われた。
ナスダック総合株価指数は5営業日ぶりに反発した。前日比48.877ポイント高の1万9075.263で終えた。人工知能(AI)向けデータセンターの大規模投資を検討していると伝わったメタプラットフォームズが上昇した。半導体のブロードコムやビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズも買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比100円高の3万8055円で終えた。この日は日経平均株価が下落した一方、米株式市場ではハイテク株の一角が買われた。シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38055 ( -165 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38075 ( -145 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
26日の英FTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比62.79ポイント(0.72%)高の8731.46で終えた。一部金融機関が目標株価を引き上げた英ロイズ・バンキング・グループなど銀行を中心に金融が買われた。
トランプ米大統領が25日、米国へ輸入する銅への追加関税を視野に、銅輸入の実態調査を米商務省に命じた。これを受けて26日にかけての取引で銅先物が上げ幅を広げる場面があり資源株の買いにつながったのも、指数を支えた。一方で情報関連サービスの英RELXが下落。不動産投資信託(REIT)や製薬に売りが出た。
FTSEの構成銘柄では、保険会社ヒスコックスが4.97%高、医療機器のコンバテックが4.86%高、金融大手ロイズ・バンキング・グループが4.58%高と相場をけん引。一方、製薬会社ヒクマ・ファーマシューティカルズは6.18%安と急落し、情報サービス会社RELXが2.56%安、住宅大手パーシモンが2.53%安で続いた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
26日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比383.84ポイント(1.71%)高の2万2794.11で終えた。26日公表した四半期決算が好調だったと受け止められた医療機器のフレゼニウスやミュンヘン再保険に買いが入った。
一部金融機関が前日付で目標株価を引き上げた建設資材のハイデルベルク・マテリアルズが上昇したほか、銀行も上げた。半面、内需系の比率が高い中型株指数のMDAXは4日続伸した。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが8.54%高、ヘルスケア大手フレゼニウスが6.48%高、ミュンヘン再保険が4.82%高と上伸。半面、26日公表した2024年10〜12月期決算でリース費用控除後の調整EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が市場予想を下回った通信大手ドイツテレコムは3.26%安、通販大手ザランドは1.66%安、高級車メーカーのポルシェは0.34%安で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3営業日ぶりに反発し、前日比1.15%高で終えた。欧州主要600社の株価指数であるストックス600も上昇し、終値は前日比0.98%高の559.67と6営業日ぶりに最高値を更新した。
