「即日埋めに期待」
NY株式市場はマチマチの動き。
NYダウは4日続落。
NASDAQとS&P500は小幅反発。
4日続落していたアップルの1.72%の上昇が少し寄与した格好。
イエレンFRB議長は講演で「物価が弱くても段階的利上げの継続が必要。
インフレ率が2%に戻るまで金融政策を据え置くことは賢明でない」とコメント。
12月利上げの可能性は78%まで高まった。
ハリケーン「ハービー」と「イルマ」の影響でCB消費者信頼感指数が低下。
新築一戸建て住宅販売戸数も8カ月ぶりの水準に落ち込んだが影響は限定的。
「利上げの可能性が高まっても投資家は押し目買いの姿勢」という声も聞こえる。
イエレン議長の発言を受けて国債利回りは上昇。
2年債利回り一時1.456%と2008年10月以来の高水準をつけた。
ドルは対ユーロで一時5週間ぶり高値を更新。
ドル円は112円台前半までの円安トレンドとなった。
「ドイツ総選挙後、スペインやイタリアなどでの政治的な不協和音の高まりに市場の関心が移っている」。
そんな指摘もある。
「これまで米国の政治『ドラマ』に焦点を当て、欧州での動向にさほど注意を払ってこなかった。
米政治の動向は国内経済にそれほど悪影響を及ぼしていない」と言う見方。
「欧州の問題は構造的、政治的で、かつ根深い」とも言われた。
市場の焦点が移行する可能性が登場してきた印象。
ダウ輸送株指数は64ポイント高の9779ポイント。
この上昇は好感されよう。
火曜の日経平均は後場に下落幅を拡大した。
もっとも東証1部の騰落銘柄数は値上がり1189、値下がり732と買いが優勢の展開。
「北朝鮮リスクは上値を抑える材料とはなる。
しかし株式市場へのネガティブ影響は限定的」という声が聞こえる。
予想に反してドル円は112円台への円安トレンド。
225先物大証夜間取引終値は日中比100円高の20250円。
権利配当落ち分は約140円程度。
あと50円程度の上昇があれば「即日埋め」も夢ではない水準だ。
「権利落ちで用無しになる銘柄が増えるだけでなく、潮目が微妙に変化することがあるので気をつけたい。
相場のノイズが多すぎる」というのは昨日の市場の囁き。
しかし、どうも違うような気がする。
9月22日時点の信用売残は前週比965億円増加し1兆1077億円。
2008年8月以来9年ぶりの高水準となった。
信用買残は109億円減少し2兆5829億円。
信用倍率は2.3倍と低下した。
リーマンショック直前の水準まで増加した信用売残。
4月14日の半年期日10月14日を迎えるには踏み上げを想定した重い時間となろうか。
9月最終の5日間はマイナスが多いというのがアノマリー。
今年は当てはまらないと考えたほうが良いかも知れない。
9月SQ値19278円、9月月足陽線基準値19691円は完全にクリア。
2017年3月月中平均19340円、3月末18909円、年足陽線基準足陽線基準は19594円。
これもクリア。
前年比プラスの基準となる昨年末の値は19114円だ。
9月上昇→10月上昇(正相関)のアノマリーもある。
上向いた75日線(19894円)を25日線(19723円)が抜くとゴールデンクロス。
あと5日程度の時間が必要なだけと迫ってきた。
「今年2度目のゴールデンクロスに期待」という声も聞こえる。
「勝手雲」が今日白くねじれているのも期待感につながろうか。
ボリンジャーのレンジはプラス3σが20859円。
マイナス3σが18587円と約1300円まで拡大。
プラス2σの20480円に果敢に挑戦というところだろうか。
「今回の上昇は4月の罫線に似ている。
4月17日→5月8日までの上昇率は9%。
9月11日以降に当てはめれば21100円」という勇ましい声も聞こえる。
PER15倍で21225円。
16倍なら22640円。
そこから風景は変わってくる筈。
「財務省が政府保有株の郵政の売出しをするのだから9月高という単純な相場観が買つことになろうか。
世界経済フォーラムが発表した2017年版の「世界競争力報告」。
日本の総合順位は前年比1つ下がり9位になった。
順位低下2年連続。
アジア勢ではインドネシアとベトナムが大幅に順位を上げた。
1位(前年1位)スイス、2位(同3位)米国、3位(同2位)シンガポール、
4位(同4位4)オランダ、5位(同5位)ドイツ、6位(同9位)香港、
7位(同6位)スウェーデン、8位(同7位)英国、9位(同8位)日本、
10位(同10位)フィンランド。
小さなことにこだわらないほうが良いかも知れない。
4月以降のTOPIX上昇率が10%を超えてきた。
「過去の例では上半期の株価上昇率が半期末の時点で10%を超えることには意味がある。
その年度の下半期の相場堅調を示唆するサインとなっている」と大和のレポート。
1970年度以降でTOPIXが上半期に10%以上上昇した年度。
下半期の株価も9割以上の高確率(10勝1敗)で上昇した。
平均上昇率は13.0%。
上半期に株価上昇率が10%未満にとどまった年度、
上半期に株価が下落した年度の、下半期の平均上昇率4%程度とは大きな差。
このアノマリーは日経平均で観測しても同様の傾向。
日経平均が上半期に10%以上上昇した場合は、下半期の上昇確率は100%(10勝0敗)。
上半期の株価上昇率10%達成のためには、9月末のTOPIXで1663.86以上。
日経平均で20800.19円以上が必要となる計算。
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