12日のNYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比82ドル55セント安の4万1350ドル93セントと昨年9月以来の安値で終えた。
米政権の関税政策や貿易摩擦への警戒感が引き続き相場の重荷だった。半面、値ごろ感から一部のハイテク株に見直し買いが入り、相場を下支えした。
米労働省が朝方発表した2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.8%上昇と、5カ月ぶりに鈍化し、市場予想も下回った。インフレに対する警戒感が若干和らぎ、これまで売り込まれたハイテクや金融などの銘柄に買いが入り、相場が押し上げられた。
ただ、カナダ政府が米国による鉄鋼・アルミニウム追加関税への報復措置を発表した後、ダウはマイナス圏に沈んだ。双方が関税をかけ合う貿易戦争が激化し、米経済に悪影響が生じるとの見方が一段と広がり、リスク回避の売りが優勢となった。
ただ、カナダ政府が米国による鉄鋼・アルミニウム追加関税への報復措置を発表した後、ダウはマイナス圏に沈んだ。双方が関税をかけ合う貿易戦争が激化し、米経済に悪影響が生じるとの見方が一段と広がり、リスク回避の売りが優勢となった。
ダウ平均は280ドルあまり上昇する場面があった。3月に入って前日までに2400ドル超下げていた。S&P500種株価指数は2月に付けた最高値からの下落率が9%を超え、「調整局面」入りの目安とされる10%に迫っていた。短期的に売られすぎとの見方から、足元で下げが目立ったエヌビディアなどが買われた。ダウ平均の構成銘柄ではないがテスラへの買いも優勢だった。
ダウ平均では、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やウォルマート、マクドナルドといったディフェンシブ株が下落した。アナリストが投資判断を引き下げたベライゾン・コミュニケーションズのほか、アナリストがスマートフォン「iPhone」の出荷台数見通しを引き下げたアップルも下げた。
一方、エヌビディアが6%あまり上昇した。ボーイングやセールスフォースも高かった。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反発した。前日比212.355ポイント(1.21%)高の1万7648.450で終えた。ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体株の上げが目立った。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズやサイバーセキュリティーのクラウドストライク・ホールディングスなども買われた。
【シカゴ日本株先物概況】
12日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比580円高の3万7105円で終えた。この日は日経平均株価とハイテク株の比率が高い米ナスダック総合株価指数がともに上昇し、シカゴ市場の日経平均先物にも買いが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
12日の英FTSE100種総合株価指数は7営業日ぶりに反発し、前日比44.98ポイント(0.52%)高の8540.97で終えた。ウクライナ情勢を巡る警戒感が和らいだことなどを背景に投資家心理が上向いた。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが6.45%高、蒸気システム大手スパイラックス・グループは5.78%高、産金大手フレスニロが4.74%高となり、これら銘柄が主導する形で上昇をけん引。一方、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は4.77%安、食品・小売り大手アソシエーテッド・ブリティッシュ・フーズは4.35%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
12日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反発し、前日比347.64ポイント(1.55%)高の2万2676.41で終えた。ロシアによるウクライナ侵略を巡り、ウクライナが米国の示した停戦案を受け入れたのを受けて地政学的リスクが後退するとの見方が広がった。前日まで3日続落した後で、押し目買いも入った。
個別では、防衛大手ラインメタル(9.62%高)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(8.97%高)、同社が12日発表した2024年12月通期決算は大幅な増収増益で、同社は今期についても強気の見通しを示した。医療機器のザルトリウス(5.08%高)が買われた半面、日用品大手ヘンケル(3.55%安)や高級車メーカーのポルシェ(2.99%安)などが売られた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は4営業日ぶりに反発し、前日比0.59%高で終えた。
