ダウ続落178ドル安、エヌビディア売られる

7日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比178ドル20セント(0.41%)安の4万2528ドル36セントで終えた。
同日発表の米経済指標が景気の底堅さを示したことを受け、米債券市場で長期金利が上昇し、ハイテク株を中心に売りが広がった。ダウ平均の下げ幅は300ドルを超える場面があった。
 
エヌビディアなどハイテク銘柄の買いが先行し、ダウはプラス圏で取引が始まった。ただその後、高値警戒感から利食い売りが優勢となり、同株は6%安と相場を押し下げた。
米景気の底堅さを示唆する指標が相次ぎ、長期金利が上昇したことも相場の重荷となった。
米労働省が発表した昨年11月の雇用動態調査(JOLTS)は非農業部門の求人数が25万9000件増の809万8000件と、市場予想を上回った。
 
7日に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した2024年12月の非製造業(サービス業)景況感指数は54.1と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(53.4)を上回り、11月(52.1)からも改善した。個別項目では「価格」や「企業活動・生産」の上昇が目立った。同日発表の11月の米雇用動態調査(JOLTS)では非農業部門の求人件数が809万8000件と、QUICK・ファクトセットがまとめた市場予想(770万件)以上だった。
市場では「米景気の底堅さが意識され、新政権の(予想される)政策と相まってインフレ懸念につながった」との見方があった。午後発表の10年債入札の結果が低調だったこともあり米長期金利が上昇し、一時は4.69%と24年5月上旬以来の高水準を付けた。金利の上昇を受け、相対的な割高感が意識された株式の売りにつながった。
米国の根強いインフレを背景に米連邦準備理事会(FRB)の利下げペースが鈍化するとの観測も投資家心理の重荷となった。米短期金利先物の値動きから金融政策を予想する「フェドウオッチ」ではFRBが1月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く確率が7日夕時点で95%と、前日(91%)から上昇。25年内に1回も利下げがないとの確率も切り上がった。市場では「利上げの可能性も意識されている」との声も聞かれた。

個別では、エヌビディアが6.2%安で終えた。前日夕の新製品などの発表を受け、買いが先行したものの、最高値を更新した後に売りが膨らんだ。アマゾン・ドット・コムやセールスフォース、マイクロソフトも下げた。半面、スリーエム(3M)やシェブロン、アムジェンは買われた。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前日比375.301ポイント(1.88%)安の1万9489.680で終えた。アナリストが投資判断を引き下げたテスラは4%安となった。ビッグデータ分析のパランティア・テクノロジーズは7.8%安で終えた。

 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

7日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比60円高の3万9735円で終えた。同日は米株式相場が下落したものの、日経平均株価の上昇もあってシカゴ市場の先物には買いがやや優勢となった。
 

シカゴ日経225先物 (円建て) 
39735 ( -265 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39825 ( -175 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

7日の英FTSE100種総合株価指数は小幅に反落し、前日比4.38ポイント(0.05%)安の8245.28で終えた。7日に英住宅金融のハリファクスが公表した住宅価格指数が9カ月ぶりに前月比でマイナスになるなど市場予想を下回り、住宅建設の下げが目立った。銀行や資源株の下落も指数の重荷だった。

FTSEの構成銘柄では、住宅大手テイラー・ウィンペイが4.46%安、広告大手WPPが4.10%安、住宅大手パーシモンが4.00%安と大きく下げた半面、7日に2025年1月通期の収益見通しを上方修正した衣料小売り大手ネクストは3.75%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションは3.63%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は2.66%高となった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

7日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比124.38ポイント(0.61%)高の2万0340.57で終えた。ソフトウエアの独SAP、半導体のインフィニオンテクノロジーズといったハイテク関連に買いが入り、指数を支えた。
 
個別では、商用車大手ダイムラー・トラックが4.45%高、医療機器のザルトリウスが3.99%高、化粧品大手バイヤスドルフが3.25%高と相場をけん引した。一方、エネルギー大手シーメンス・エナジーは1.50%安、通販大手ザランドは1.30%安、エネルギー大手イーオンは1.19%安と売られた。
 
 

■フランス・パリ株価指数

フランスでは株価指数CAC40が続伸し、前日比0.58%高の7489.35と2024年10月29日以来、約2カ月ぶりの高値で終えた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンやエルメス・インターナショナルといった高級ブランドのほか電機大手のシュナイダー・エレクトリック、仏トタルエナジーズといった時価総額が大きい銘柄を中心に買いが入った。スイスの半導体大手STマイクロエレクトロニクスに買いが続いた。他方、欧州エアバス、欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルが下げた。

 

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