10日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比193円33銭安の3万9411円76銭だった。
前日のニューヨーク市場が休場で、やや手掛かり材料難の展開となるなか、今晩発表される米雇用統計も意識され、持ち高調整の売りで値を下げてスタートした。特に、日経平均株価への寄与度が高いファーストリテイリングが前日の決算発表を受け大幅安となったことも全体相場を押し下げた。前引け時点ではファーストリテイリング1銘柄で日経平均を301円押し下げた。
銀行や海運株も値を下げた。日本時間今夜に24年12月の米雇用統計の発表を控えて株価指数先物には手じまい売りも出て、日経平均株価は一時400円を超える下落となったが、半導体関連株などは堅調で売り一巡後は下げ渋った。なお、株価指数オプションとミニ日経平均先物1月物の特別清算指数(SQ)値は3万9343円19銭だったとみられている。
前日の米株式市場はカーター元大統領の追悼の日で休場だった。海外市場は手掛かり難だったが国内で小売り決算が本格化するなか、ファストリの下げが相場を押し下げた。9日発表した2024年9〜11月期の連結決算(国際会計基準)で純利益は過去最高となり、市場予想も上回った。ただ、中国市場での苦戦がネガティブとの評価につながり、株価は一時7%を超す下げとなった。
米連邦準備理事会(FRB)高官から追加利下げに慎重な発言が出るなか、米長期金利は高止まりしている。米雇用統計の発表を前に先物主導で下げが強まる場面もみられた。一方、アドテストや東エレクといった海外投資家の買い観測のある半導体関連の一角は上昇し、下値を支えた。
ファーストリテイリングの大幅安がなければ、半導体株高で日経平均は反発の地合いだったが、一部ではトランプ次期大統領による関税引き上げに関する混乱を懸念する声が強まっており、先物市場では売りが膨らんでいるとの指摘もある。大統領就任が間近に迫っていることから、市場ではトランプ次期大統領の発信力が警戒されて様子見ムードがやや強まっている様子。後場の日経平均は、強い値がさ半導体株と弱いファーストリテイリング次第となりそうだが、25日移動平均線が位置する3万9404円水準でのもみ合いとなろう。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは前日比8.35ポイント(0.31%)安の2727.57だった。JPXプライム150指数も続落で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2780億円、売買高は9億1491万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は900、値上がりは668、横ばいは76だった。
業種別では、海運、銀行、医薬品、小売、倉庫・運輸などが下落した一方、非鉄金属、金属製品、精密機器、機械、その他製品などが上昇した。
個別銘柄では、ファーストリテイリングが前日比6%超の大幅安となったほか、金利上昇で三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが安く、足元買われていた千葉銀行、しずおかFG、りそなHDなど地銀株が売られた。日本郵船や商船三井が軟調。レーザーテックやソフトバンクグループ(SBG)が下落した。
このほか、三井金、中外製薬、TDK、KDDI、サッポロHDなどがさえない。
一方、アドバンテストのほか、ディスコ、スクリーンHD、東京エレクトロンなど半導体株の一角も買われたほか、日本製鋼所、川崎重工業、三菱重工業、IHIなど防衛関連が上昇。セブン&アイ・ホールディングスも高い。また、古河電工、フジクラなど電線株も買われた。このほか、塩野義製薬、ZOZO、コムシスホールディングス、HOYAなどが上昇した。
