ダウ7日続伸し113ドル高、税制改革実現への期待

5日のNYダウ工業株30種平均は7日続伸し、前日比113ドル75セント高の2万2775ドル39セントで取引を終えた。
 
週間新規失業保険申請件数が予想より減少したことで、ハリケーン被害に対する警戒感が後退したほか、堅調な8月製造業受注や、貿易赤字の縮小が好感され買いが先行した。
下院で18年度の予算案が可決されると税制改革案に関する審議が進むとの期待から上げ幅をやや拡大し、終日堅調推移となった。
 
米下院が午前、中期的な財政収支の見通しを盛り込んだ2018会計年度(17年10月~18年9月)の予算決議案を賛成多数で可決した。連邦法人税率の引き下げなど税制改革案の審議に向け、一歩前進したとの見方が投資家心理を強気に傾けた。
 
朝方には米上院が、米連邦準備理事会(FRB)の銀行規制を担当する理事にランダル・クオールズ元財務次官を充てる人事を承認した。トランプ大統領が指名した同氏の下で、金融規制の緩和が進みやすくなるとの思惑が金融株の買い材料となった。ゴールドマン・サックスとJPモルガン・チェースの2銘柄でダウ平均を50ドル近く押し上げた。
 
ナスダック総合株価指数は8日続伸し、前日比50.729ポイント高い6585.356で終えた。8日続伸は7月中旬に10日続伸して以来およそ2カ月半ぶりの長さ。S&P500種株価指数も8日続伸し、同じく8日続伸した13年7月中旬以来およそ4年2カ月ぶりの連続記録となった。
 
セクター別では、銀行やソフトウェア・サービスが上昇する一方でメディアや自動車・自動車部品が下落した。
 
 
個別では、オンライン動画配信のネットフリックス(NFLX)は、約2年ぶりの値上げを発表して上昇した。アルコール飲料のコンステレーション・ブランズ(STZ)は決算内容が好感され、買われた。配送システムの見直しを進めていると伝わったアマゾン・ドット・コム(AMZN)が買われた。アナリストによる強気の評価を受けてバイオ製薬のバイオジェンも上昇した。
 
一方で、アナリストが売り推奨としたバイオ製薬のセルジーンは大幅安。アムジェンや医療保険のユナイテッドヘルス・グループなどヘルスケア関連株が軒並み軟調だった。金利上昇の恩恵を受けにくい通信のベライゾン・コミュニケーションズやメディア大手のバイアコム(VIAB)も売りが優勢だった。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
22,775.39+113.75
S&P500種
2,552.07+14.33
ナスダック
6,585.356+50.729
 
米10年債利回り(%)
2.348 +0.016
米2年債利回り(%)
1.4913 +0.012
 
NY原油(ドル/バレル)   50.75-0.04
円・ドル112.79 – 112.80   +0.10


【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比35円高の2万0700円で引け、同日の大取終値を60円上回った。円相場が弱含んだうえ、米株の主要3指数が連日で最高値を更新し、買いを支えた。
朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は市場予想以上に減少し、雇用情勢の改善を示した。市場は6日発表の9月の米雇用統計に注目している。この日の12月物高値は2万0705円、安値は2万0600円。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
20700 ( +60 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
20730 ( +90 )
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7507.99(+40.41)
FTSE100種総合株価指数は反発した。前日終値に比べ40.41ポイント高の7507.99で引けた。構成銘柄の約7割が上昇した。
資源株が上昇し、指数を押し上げた。買収観測を背景にテーマパーク運営のマーリン・エンターテイメンツが大幅上昇したほか、午前は売りが先行していた金融株の一部が買い戻されたことも上げに貢献した。
原油相場の大幅高を追い風に石油株は全面高となった。堅調な銅価格を受けて鉱業株が軒並み上昇する中、アングロ・アメリカン、資源商社のグレンコア、アントファガスタが高かった。
前日下落したスーパーマーケットのテスコと電力のSSEも買い戻された。
 
半面、たばこ株が売られた。保険のアヴィヴァとアナリストが投資判断を引き下げた銀行のバークレイズの下げが目立った。広告大手のWPP、梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループが安かった。
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12968.05(-2.47)
ドイツ株式指数(DAX)は8営業日ぶり小反落した。終値は前日比2.47ポイント安の12968.05だった。連日で最高値を更新したこともあり、売りがやや優勢で引けた。
半導体のインフィニオンテクノロジーズ、透析器大手のフレゼニウス・メディカル・ケアが安かった。前日上昇した医療機器のフレゼニウスは利益確定の売りで下落した。
一方、ドイツの長期金利上昇などを背景にドイツ銀行とコメルツ銀行が高かった。ミュンヘン再保険も上昇した。
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5379.21(+15.98)

 
欧州の主要株式市場では、スペインのIBEX35が同2.51%高となり、前日の大幅下落を相殺した。市場ではカタルーニャ州のスペイン独立は難しいとの見方が大半を占めている。
 

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