508円高と続伸 一時4万円台、米ハイテク株高が追い風

 
12日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比508円87銭(1.29%)高の3万9881円10銭だった。上げ幅は一時700円を超え、取引時間中として10月15日以来およそ2カ月ぶりに心理的節目の4万円を上回る場面があった。
 
前日のNYダウは5日続落したものの、ハイテク株が買われナスダック指数は初の2万台に乗せた。これを受け、東京株式市場でも半導体関連株などが値を上げ全体相場を押し上げた。
11日の米株式市場でナスダック総合株価指数は過去最高値を更新し、2万の大台に到達した。11月の米消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想に沿った結果となり、米連邦準備理事会(FRB)が来週に追加利下げを決めるとの観測が米ハイテク株の買いを後押しした。東京市場でも値がさの東エレクやアドテスト、ソフトバンクグループ(SBG)などに買いが波及し、日経平均を押し上げた。13日に株価指数先物・オプション12月物の特別清算指数(SQ)算出を控えて海外短期筋の思惑的な買いが入り、先物主導で上げ幅が広がった面もあった。
 
財務省が12日発表した1〜7日の対外及び対内証券売買契約などの状況(週間・指定報告機関ベース)によると、海外投資家は国内株を3週ぶりに買い越した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が運用利回りを引き上げるとの観測があり、株式の組み入れ比率が上昇するとの思惑が追い風だった。日本株の売買は海外投資家が7割を占めるとあって、市場では「海外勢の買い超しを3週ぶりに確認できた点は投資家に安心感を与え、きょうの相場を支えている」との見方もあった。
 
ただ、節目の4万円を超えた場面では、目先の達成感から利益確定や戻り待ちの売りが上値を抑えた。外国為替市場の円相場は朝方に1ドル=152円台半ばだったが、午前の中ごろから151円台後半まで円の買い戻しが進んだ。前日夕からの円安・ドル高の進行がいったん一服して先物買いの勢いがやや弱まったほか、トヨタなど輸出関連株が伸び悩んだ。
 
取引時間中に11月SQ値3万9901円35銭をクリアしたほか、2カ月ぶりに4万円台に乗せたことなどから、市場ではやや達成感が意識されつつある。政策期待で急動意していた中国株の動向も落ち着いたことなどから、後場の東京株式市場はやや利益確定の流れが強まると考える。日経平均の上値は重くなり多少は上げ幅を縮小しそうだ。
 

 



東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは28.24ポイント(1.03%)高の2777.55だった。JPXプライム150指数は続伸し、14.93ポイント(1.22%)高の1236.23で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2569億円、売買高は9億9152万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1217。値下がりは358、横ばいは67だった。
 
業種別株価指数(33業種)はサービス業、石油・石炭製品、非鉄金属、電気機器、精密機器などが上昇率上位。下落は鉄鋼のみ。
 
 
個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループもしっかり。三菱重工業やIHI、フジクラ、三菱電機、日本製鋼所大幅続伸したほか、古河電工も買われた。また、ナスダック上昇やエヌビディア反発を受けて、アドバンテストが上昇。ソニーグループも連日で上場来高値を更新。イオン、清水建設、コニカミノルタ、出光興産などが買われた。
 
一方、経営立て直しの一環としてCFOなど交代する人事案を発表したが、課題は多いとの見方から日産自が売られたほか、三菱自、マツダ、ホンダと自動車関連株が弱い。また、世田谷区の分譲マンションで施工不良が見つかったことで住民に買取りを提案と報じられたことで事業主である東急不HDがさえない。このほか、SUMCO、ヤマハ、安川電機、JFEホールディングス、シャープなどが売られた。マネックスグループやさくらインターネット、セブン&アイ・ホールディングスが安く、くら寿司が急落した。

 

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