63円高と反発 半導体や機械が堅調

 
16日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前週末比63円11銭高の3万9533円55銭だった。
 
前週末13日のNYダウが7日続落となった一方、ナスダック総合株価指数は反発した。米ハイテク株が底堅く推移したことを受けて、週明けの東京株式市場で日経平均は上昇して始まった。内閣府が発表した機械受注統計が市場予想を上回ったことも機械関連株の支援材料になり、相場を支えた。
 
朝方に一時161円高となったが、17~18日に米連邦公開市場委員会(FOMC)、18~19日に日銀の金融政策決定会合を控えているとあって、積極的に上値を追う姿勢は限られた。
上昇一服後はポジション調整目的の売りが出て、マイナス圏に沈む場面もあった。もっとも外国為替市場でドル円相場は1ドル=154円に迫る水準と円安基調を続けており、全体相場を下支えした。繊維やゴム製品、機械といったセクターが堅調に推移。石油関連、陸運関連が冴えない展開だった。
 
前週末の13日に主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)などが上昇した流れを引き継ぎ、国内でも東エレクやディスコなど値がさの半導体関連に買いが先行した。外国為替市場での円安・ドル高の進行もあってトヨタなど輸出関連の一角にも買いが入り、日経平均の上げ幅は一時100円を超えた。
 
16日の寄り付き前に内閣府が発表した10月の機械受注統計で、民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」の受注額(季節調整済み)が前月比2.1%増と、QUICKがまとめた民間予測の中央値を上回った。堅調に設備投資が伸びているとの安心感から機械関連株の一角も上昇した。
 
ただ、前引けにかけては半導体関連が利益確定目的の売りに押されて伸び悩み、日経平均の上値を抑えた。前週に上場来高値を更新するなど上昇の目立っていたソニーGやリクルートに売りが出たほか、指数寄与度の高いファストリも軟調に推移し、日経平均は下落に転じる場面もあった。
 
 


後場の日経平均株価は、積極的に買い上げるほどの材料は乏しく、上値の重い展開が続きそうだ。今週は17-18日にFOMC、18-19日に日本銀行による金融政策決定会合がそれぞれ開催される。FOMCでは0.25%の利下げを予想する声が多い一方、日銀会合における0.25%の利上げの可能性は五分五分といったところ。11月下旬から12月上旬にかけては12月会合での利上げ観測が強く、銀行や保険など金融株の上げがやや目立っていたが、足下では12月利上げ見送り観測報道が流れるなどややトーンダウンしている。年内最後のイベントである日米中銀会合を通過すると、メジャーSQも終わったことから、市場関係者は続々とクリスマス休暇入りし、プライム市場の売買代金は減少するだろう。サプライズ的な材料が出ない限り、4万円手前での推移が年内は続いていきそうだ。
 
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは1.10ポイント(0.04%)安の2745.46だった。JPXプライム150指数も続落し、1.91ポイント(0.16%)安の1217.51で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7144億円、売買高は8億1246万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は821。値下がりは746、横ばいは77だった。
 
業種別では、繊維製品、ゴム製品、金属製品などが上昇した一方で、石油・石炭製品、陸運業、空運業などが下落した。
 
個別では、アドバンテスト、東京エレクトロン、ディスコ、ソシオネクストなどの半導体関連株が買われ、パナソニック ホールディングスや東レがしっかり三菱UFJや三井住友などの金融株が堅調に推移。また、フジクラ、三菱重工業、ソフトバンクグループ、パナHD、セレスなどが上昇した。フジクラ、セレス、三井ハイテックが急伸した。ほか、業績・配当予想を上方修正した丹青社が急騰、前期業績上振れ着地で中計目標値を上方修正した神戸物産などが値上がり率上位となった。
 
 一方、川崎重工業、ファーストリテ、ソニーグループ、リクルートHD、東京海上ホールディングス、キーエンス、楽天グループ、オリエンタルランドなどが下落となった。ヤマトホールディングスが軟調。第1四半期収益横ばいや立会外分売を売り材料視されたLink-U グループや8-10月期も2ケタ営業減益基調が継続したヤーマンが急落。ほか、アドバンスクリエイト、スミダコーポレーション、アスクルなどが値下がり率上位となった。

 

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