8日続落110ドル安、ディフェンシブ株に売り

16日のNYダウ工業株30種平均は8日続落し、前週末比110ドル58セント(0.25%)安の4万3717ドル48セントで終えた。8日続落は2018年6月以来。ディフェンシブ株の一角に売りが出て、ダウ平均の重荷となった。半面、ハイテク株の一角に物色が進み、ダウ平均は120ドルあまり上昇する場面があった。
 
市場では17、18日の両日開催される連邦公開市場委員会(FOMC)で、0.25%の追加利下げが決定されると予想されている。会合後に公表される参加者による政策金利見通しに注目が集まっており、この日は様子見ムードも強かった。
この日発表された中国の経済統計で内需の弱さが示されたことは圧迫材料となり、エネルギー株などが軟調だった。
 
トランプ次期大統領が薬価交渉を担う薬剤給付管理(PBM)に対する批判的な発言をしたと16日午前伝わった。収益への影響が出るとの見方からPBM事業を傘下に持つ銘柄に売りが広がった。
ダウ構成銘柄では、シェブロンが3%近く下落。キャタピラーやスリーエムといった景気敏感株の一角も下げた。ユナイテッドヘルス・グループは4%となり、ダウ平均を130ドルあまり下押しした。ジョンソン・エンド・ジョンソンやアムジェンといったディフェンシブ株にも売りが出た。
アマゾン・ドット・コムやアップルが高かった。市場では「代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコインが再び過去最高値を更新したことがハイテク株買いを後押しした」との指摘があった。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、前週末に初めて時価総額が1兆ドルを超えた半導体のブロードコムに買いが続いた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比247.167ポイント(1.24%)高の2万0173.891(速報値)で終え、11日以来の最高値更新となった。マイクロン・テクノロジーやアルファベットの上昇が目立った。アナリストが目標株価を引き上げたテスラも買われた。
 
NYダウ    43717.48 ( -110.58 )

S&P500    6074.08 ( +22.99 )

NASDAQ  20173.89 ( +247.17 )

米10年債利回り  4.391 ( -0.002 )



NY(WTI)原油   70.71 ( -0.58 )

NY金      2670.0 ( -5.8 )

VIX指数    14.69 ( +0.88 )


 
 

【シカゴ日本株先物概況】

16日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2025年3月物は前週末比55円高の3万9625円で終えた。
NYダウ平均は、今週に米金融政策会合を控える中、8営業日続落した。
この日は米株式市場でナスダック総合株価指数が最高値を更新するなどハイテク株を中心に上昇しており、シカゴ市場の日経平均先物にも買いがやや優勢となった。



シカゴ日経225先物 (円建て)

39625 ( +165 )

 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
39745 ( +285 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

16日の英FTSE100種総合株価指数は続落し、前週末に比べ38.28ポイント(0.46%)安の8262.05で終えた。16日発表の中国の経済統計をきっかけに中国の景気懸念が改めて意識された。同日のアジア市場で香港や中国・上海などの株式相場が下落し、投資家心理の重荷となった。
来年にかけての米国や英国での利下げが緩やかなペースにとどまるとの見方も、嫌気された。
 
FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが6.28%安と急落し、エネルギー小売り大手セントリカが3.66%安、医療機器のコンバテックが3.07%安で続いた。一方、航空機エンジン大手ロールス・ロイスは1.96%高、プライベート・エクイティ会社3i(スリーアイ)グループは1.40%高、医療・安全装置メーカーのハルマは1.39%高と買われた。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

16日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前週末比92.11ポイント(0.45%)安の2万0313.81で終えた。16日発表された中国の経済指標を受けて中国の景気悪化が意識され、投資家心理を冷やした。
 
個別では、不動産大手ボノビアが4.12%安、自動車大手メルセデス・ベンツが3.86%安、自動車大手BMWが3.17%安と下げを主導。半面、エネルギー大手シーメンス・エナジーは4.54%高、コメルツ銀行は2.09%高、防衛大手ラインメタルは1.27%高で取引を終えた。

■フランス・パリ株価指数

フランスで主要指数のCAC40は3日続落し、前週末比0.70%安で終えた。欧州ステランティスなど自動車が下げた。仏トタルエナジーズなどエネルギー株、高級ブランドの仏ケリングなど消費関連に売りが優勢だった。半面、仏メディア大手ビベンディが上昇した。傘下の有料テレビ、カナル・プリュスなど分離した3事業が16日にロンドンとアムステルダム、パリ市場に1社ずつ新規上場した。
 

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