18日のNYダウ工業株30種平均は10日続落した。前日比1123ドル03セント安の4万2326ドル87セントで終えた。
下げ幅は2022年9月以来、約2年3カ月ぶりの大きさだった。
10日続落は1974年以来、約50年ぶりだった。
米連邦準備理事会(FRB)が2025年の利下げペースが鈍化する見通しを示した。金利高止まりへの警戒などから、売りが広がった。
FRBはこの日、政策金利を0.25%引き下げると決定。一方、景気の底堅さを背景に来年の利下げ回数見通しを従来示していた4回から2回に減らした。市場では「3回になると思っていた」(日系証券)と驚きをもって受け止められ、ダウ、ナスダックともにほぼ全面安となった。
パウエル議長は記者会見で今回の利下げについて「紙一重に近い判断だった」などと述べた。クリーブランド連銀のハマック総裁は据え置きを主張し、利下げに反対票を投じた。FRBが利下げに慎重な姿勢を示したと受け止められた。
ダウ平均はFOMC結果発表後に下落に転じ、引けにかけて下げ幅を拡大した。FOMC結果発表やFRB議長会見を受けて米長期金利が4.5%を超え、株式の相対的な割高感が強まった。ナスダック総合株価指数などが最高値圏にあり、ハイテク株を含めて利益確定や持ち高調整の売りが広がった。
相場はFOMC結果発表前は上昇していた。ダウ平均は前日まで下げが続いており、足元で下落が目立った主力株の一部に買いが入った。
ダウ平均ではアメリカン・エキスプレスやアマゾン・ドット・コム、ゴールドマン・サックスなどの下落が目立った。シャーウィン・ウィリアムズやセールスフォース、IBMの下げも大きかった。一方、ユナイテッドヘルス・グループは上昇して終えた。
ナスダック総合株価指数は大幅続落した。前日比716.368ポイント(3.56%)安の1万9392.693で終えた。下落率は7月下旬以来の大きさだった。テスラが8%あまり下げ、半導体のブロードコムも大幅安だった。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は下落した。2025年3月物は前日比795円安の3万8460円で終えた。
NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)による来年の利下げ回数見通し減少が嫌気され、10営業日続急落した。
FRBが25年の利下げペースが鈍化する見通しを示し、米株式相場が大幅に下落した。
シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38460 ( -740 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38550 ( -650 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
18日の英FTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに小幅に反発し、前日比3.91ポイント(0.04%)高の8199.11で終えた。同日発表された11月の英消費者物価指数(CPI)で上昇率が市場予想の範囲内に収まり、安心感につながった。ただ英国時間18日夕に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を控え、上値は限られた。
11月の英CPIは、前年同月比の上昇率が2.6%と市場予想に一致した。エネルギーや食品などを除くコア指数は同3.5%上昇と英LSEGが示す市場予想を小幅に下回った。
11月の英CPIは、前年同月比の上昇率が2.6%と市場予想に一致した。エネルギーや食品などを除くコア指数は同3.5%上昇と英LSEGが示す市場予想を小幅に下回った。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが2.90%高、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が1.85%高、不動産大手ブリティッシュ・ランドが1.79%高と上伸。半面、賭け屋大手エンテインは2.66%安、保険大手ビーズリーは1.56%安、製薬大手アストラゼネカは1.47%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
18日のドイツ株価指数(DAX)は前日から横ばい圏で終えた。終値は前日比3.80ポイント(0.01%)安の2万0242.57だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に様子見姿勢の投資家も多く、DAXは明確な方向感に乏しく推移した。
個別では、香料大手シムライズが2.24%安、ハノーバー再保険が1.55%安、日用品大手ヘンケルが1.46%安と下げを主導。一方、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは2.15%高、医療機器のザルトリウスは1.38%高、コメルツ銀行は1.37%高と値上がりした。
■フランス・パリ株価指数
フランスでは株価指数のCAC40が続伸し、前日比0.25%高で終えた。自動車のルノーの上昇が目立った。ホンダと日産自動車が経営統合に向けた協議に入ると18日付の日本経済新聞が報じたのを受け、日産の株式を保有するルノーは一時、前日比7.4%高まで買われ、同5.2%高で終えた。仏メディア大手ビベンディ、スイス半導体大手のSTマイクロエレクトロニクスが上げた。一方で酒類大手ペルノ・リカール、化粧品大手ロレアルなど消費関連の一角が下げた。
