ただ、米景気に対する楽観論を受けてダウは一時プラス圏に浮上した。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、住宅建設のDRホートンが急落した。29日朝に発表した四半期決算では売上高と1株利益が市場予想に届かなかった。収益見通しも低調で売りに押された。ダウ平均の構成銘柄では、ホーム・デポがつれ安し、ダウ平均を下押しした。
29日発表の9月の雇用動態調査(JOLTS)では、非農業部門の求人件数が市場予想に届かなかった。労働需給が緩む方向にあり、景気の勢いが鈍っていることへの警戒から、消費関連や景気敏感株の一部に売りが出た。
ダウ平均は上昇に転じる場面があった。週内に四半期決算を発表するアマゾン・ドット・コムやマイクロソフトなどハイテク株が上昇し、指数を支えた。市場では「ハイテク企業の収益の安定性を見込んだ買いが入っている」との指摘があった。
そのほかの個別銘柄では、ウォルマートやJPモルガン・チェース、IBMが下落した。プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やコカ・コーラも売られた。原油安を背景にシェブロンも安かった。半面、ボーイングとセールスフォースが上昇した。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比145.559ポイント(0.78%)高の1万8712.748で終え、7月10日以来、3カ月半ぶりに最高値を更新した。メタプラットフォームズやアルファベット、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が上昇した。一方、テスラは下落した。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
29日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比66.01ポイント(0.79%)安の8219.61で終えた。大幅な減益決算を発表した石油大手の英BPが下げ、指数の重荷となった。シェルも下落した。
英国で30日に秋季予算案が示されるほか、米国では29日以降に大手ハイテク企業の決算発表が相次ぐ。重要材料の内容を見極めたいと、様子見の雰囲気もあった。防衛大手BAEシステムズなど資本財関連に売りが優勢だったほか、英銀ロイズ・バンキング・グループに売りが続いた。
FTSEの構成銘柄では、通信大手エアテル・アフリカが7.21%安、石油大手BPが4.97%安、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.68%安と下げを主導した。
半面、教育・メディア大手ピアソンは4.34%高、産金大手フレスニロは3.39%高、増益決算とあわせて追加の自社株買い計画を示した金融大手HSBCホールディングスは3.12%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
29日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比53.55ポイント(0.27%)安の1万9478.07で終えた。ドイツのフォルクスワーゲン(VW)やBMWなど自動車関連が軒並み下落し、相場の重荷となった。米欧の長期金利上昇も嫌気された。
個別では、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが3.20%安、VWも3.20%安、自動車部品大手コンチネンタルが2.22%安と下げた一方、29日公表した2024年7〜9月期決算で1株利益が市場予想を上回ったスポーツ用品大手アディダスは3.84%高、商用車大手ダイムラー・トラックは0.90%高、業務用ソフトウエア大手SAPは0.58%高となった。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は反落し、前日比0.60%安で終えた。さえない四半期決算を発表した銘柄を中心に売りが膨らんだ。
