31日発表の9月の米個人消費支出(PCE)物価指数でエネルギー・食品を除くコア指数が小幅に市場予想を上回り、インフレ圧力の根強さを示した。米金融政策の先行きを見極めるうえで注目される10月の米雇用統計が11月1日に発表になる前で、買いを手控える雰囲気もあった。
ダウ平均の構成銘柄では31日発表の決算とあわせて利益見通しを引き下げたメルクが安い。ボーイングやインテル、セールスフォースも売られた。一方、ベライゾン・コミュニケーションズやアムジェンは上げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比512.780ポイント(2.75%)安の1万8095.151で終えた。アナリストが投資判断を引き下げた英半導体設計のアーム・ホールディングスが大幅安だった。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
10月31日のFTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比49.53ポイント(0.60%)安の8110.10で終えた。終値として8月6日以来およそ3カ月ぶりの安値となる。主要企業による決算などの公表が相次ぐなかで弱気の見通しを示す内容が出て、投資家心理を冷やした。英金利の上昇も重荷だった。
FTSEの構成銘柄では、31日に2024年12月通期の売上高見通しを下方修正した医療機器大手スミス・アンド・ネフューが12.48%安と急落。住宅大手パーシモンが7.47%安、同業テイラー・ウィンペイが6.70%安で続いた。
一方、包装資材大手DSスミスは14.26%高、24年7〜9月期決算とあわせて自社株買い計画を示した石油大手シェルは3.53%高、たばこ大手ブリティッシュ・アメリカン・タバコは1.77%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
10月31日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落した。前日比179.80ポイント(0.93%)安の1万9077.54と8日以来、約3週間ぶりの安値で終えた。31日発表の経済指標などを踏まえ、ユーロ圏や米国で中央銀行が利下げを急がないとの見方が投資家心理の重荷となった。
主要企業が公表する決算の内容など、個別の材料を踏まえた売買も交錯した。
個別では、通販大手ザランドが3.80%安、防衛大手ラインメタルが2.57%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.34%安と下げを主導した。
半面、ヘルスケア大手フレゼニウスは0.81%高、ドイツ銀行は0.80%高、医療機器のザルトリウスは0.76%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は3日続落した。終値は前日比1.04%安の7350.37と、8月中旬以来、約2カ月半ぶりの低水準だった。31日発表した2024年7〜9月期決算で収益が市場予想並みにとどまった金融のBNPパリバが下げた。他方、24年7〜9月期の純利益が市場予想を上回った金融のソシエテ・ジェネラルは前日比11%高と急伸した。
