米短期金利先物市場では11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げを織り込む確率が前日の5割超から6割弱に上昇した。利下げ期待が強まり、米長期金利や金融政策の影響を受けやすい2年債利回りは低下(債券価格は上昇)した。
中国当局が24日に追加の金融緩和策や株式・不動産市場の支援策を発表した。アジアや欧州の主要な株式相場が上昇し、投資家が運用リスクを取りやすい地合いとなったことも米国株の買いを誘った。
一方、ダウ平均の上値は重く、下げる場面も多かった。米司法省が米デビットカード市場での競争を阻害したとして24日に提訴したビザが5%あまり下げ、指数の重荷となった。ダウ平均は高値更新が続いており、過熱感や高値警戒感から主力株の一角には利益確定売りも出た。
そのほかの個別銘柄ではキャタピラーやダウが上昇。中国の景気刺激策を受け、資源価格上昇への期待から買いが入った。アナリストが投資判断を引き上げたセールスフォースも高い。一方、マイクロソフトやアムジェンが売られた。
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比100.251ポイント(0.55%)高の1万8074.521で終えた。アナリストが人工知能(AI)向け新製品「ブラックウェル」への強気な見方などを示したエヌビディアの上昇が目立った。
S&P500種株価指数は続伸した。前日比14.36ポイント(0.25%)高の5732.93で終え、連日で最高値を更新した。
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
FTSE100 8282.76(+23.05)
24日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比23.05ポイント(0.27%)高の8282.76で終えた。
英スタンダードチャータードをはじめとする銀行株、インターコンチネンタル・ホテルズ・グループといった消費者向けサービスを手掛ける銘柄に買いが優勢だった。他方、製薬や日用品の一角に売りが出た。航空部品などを手掛けるスミス・グループが大幅安となるなど、資本財関連にも売りが優勢だった。
FTSEの構成銘柄では、中国で景気刺激策が発表されたのを受けて銅やアルミニウムなどの先物相場が上昇し、鉱業大手アングロ・アメリカンが6.64%高と上昇率トップ。産銅大手アントファガスタが6.30%高、資源大手リオ・ティントが4.54%高と続いた。
一方、医療機器・精密部品大手スミスグループが5.22%安、24日公表した2024年7月期通期の決算で営業利益が市場予想を下回ったことが嫌気された。住宅大手ビストリー・グループが1.85%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18996.63(+149.84)
24日のドイツ株価指数(DAX)は続伸し、前日比149.84ポイント(0.79%)高の1万8996.63で終えた。中国で景気刺激策が発表されたことなどを支えにアジアの主要な株式市場が上昇し、ドイツやフランスなど欧州の株式にも買いが優勢となった。ただDAXは最高値圏で推移しているとあって、上値を追う勢いは限られた。
個別では、自動車大手BMWが3.55%高、コメルツ銀行が2.57%高、通販大手ザランドが2.24%高と上げを主導。他方、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズが1.02%安、ドイツ取引所については、同社と米取引所大手のナスダックが、デリバティブ(金融派生商品)に関連してカルテルに関与した疑いがあるとして欧州連合(EU)の調査を受けていると伝わった。ドイツ取引所が0.90%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7604.01(+95.93)
フランスの株価指数CAC40は続伸し、前日比1.27%高で終えた。欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタルの上昇が目立ったほか、仏ロレアルやエルメス・インターナショナルなど消費関連の銘柄が買われた。
