この日公表した決算が想定を上回ったモルガン・スタンレーは6.4%高と伸長した。朝発表の2024年7〜9月期決算で売上高に相当する純営業収益と1株利益が市場予想を上回った。金融株に買いが波及した。
決算を発表した地銀の一角にも買いが入った。米国のインフレが落ち着く方向にあるなかで、米連邦準備理事会(FRB)の利下げが経済を支えるとの見方は根強い。米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かっているとの観測から、一部の景気敏感株が上昇。中小型株にも物色が広がり、株価指数ラッセル2000は1.6%高で終えた。
前日に悪材料が重なって下げたエヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった半導体株が上昇した。オランダの半導体製造装置大手、ASMLホールディングが15日に四半期決算の発表と同時に示した収益見通しが慎重だったものの、16日に開いた決算説明会では人工知能(AI)関連の需要に楽観的な見方を示した。市場では「半導体受託生産の台湾積体電路製造(TSMC)が17日に発表する決算で、需要の強さを改めて示すとの期待から買いが入った」との指摘があった。
前日に急落したユナイテッドヘルス・グループが上昇し、ダウ平均を押し上げた。アナリストが投資判断を引き上げたシスコシステムズも高かった。半面、インテルが下落した。中国当局系団体が16日、国家の安全保障を脅かすとして審査を申し立てたと発表し、株価の重荷となった。アムジェンやメルクも売られた。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比51.492ポイント(0.28%)高の1万8367.079で終えた。半導体株の一部が上昇したほか、テスラにも買いが入った。半面、アプライドマテリアルズなどの半導体製造装置株には売りが続いた。
S&P500 5842.47 ( +27.21 )
NASDAQ 18367.08 ( +51.49 )
米10年債利回り 4.014 ( -0.026 )
NY(WTI)原油 70.39 ( -0.19 )
NY金 2691.3 ( +12.4 )
VIX指数 19.58 ( -1.06 )
【シカゴ日本株先物概況】
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
■ドイツ・フランクフルト株価指数
個別では、スポーツ用品大手アディダスが15日発表した2024年7〜9月期の業績は市場予想を上回り、24年12月通期の収益見通しを上方修正した。だが16日の欧州市場では高額品を扱う企業を中心に消費関連の銘柄に売りが優勢で、アディダス株も売りに押された。(6.26%安)
医療機器のザルトリウス(4.03%安)、分子診断大手キアゲン(2.04%安)が売られた半面、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズ(1.61%高)や不動産大手ボノビア(1.20%高)が買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスの株価指数CAC40は続落し、前日比0.39%安で終えた。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンが15日公表した2024年7〜9月期の売上高は前年同期比で減少し、市場予想も下回った。LVMH株は朝方に前日比7%あまり下げる場面があった。ケリングやエルメス・インターナショナルも下落した。一方でBNPパリバなど金融株に買いが入った。
