366円高と続伸、米ダウ上昇やGDPプラスが支え

 
15日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比366円32銭(1.01%)高の3万6808円75銭だった。14日のダウ工業株30種平均が上昇するなど米株式相場が総じて堅調だった流れを引き継ぎ、東京市場でも買いが優勢だった。海外投機筋とみられる株価指数先物への買いが断続的に入り、前場を通じて一貫して上げ幅を拡大した。ファストリなど値がさ株の上昇が目立った。
 
内閣府が15日朝発表した2024年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値が、物価変動の影響を除く実質で前期比、年率換算ともに2四半期ぶりに増加したことも追い風となった。GDPのプラス成長は個人消費や設備投資の伸びが目立ったとの受け止めが多く、日本経済の先行きに対する安心感が株買いを誘ったとの見方があった。
 
日経平均は前日までの3日続伸で1600円あまり上昇しており、短期的な過熱感を受けた売りで朝方は小幅ながら下げる場面もあった。
 
足元、メガバンクなど急落した金融株の戻りが目立っている。長期金利の指標となる10年物国債利回りは0.81%台と目立った動きは見られないことから、金利動向に着目した買いとは違う買いが金融株に入っている様子。市場からは「急落で日本株の割合が低下したGPIFなど年金がバリュー株を中心に買いを入れている」との声も聞かれる。日経平均VIが26ポイント台まで低下したこともあり、東京株式市場は平穏を取り戻しつつある。後場の東京市場は引き続きTOPIX優勢のしっかりとした地合いを想定する。
 
自動車や銀行など時価総額の大きいバリュー(割安)株も買われた。バリュー株の影響が大きい東証株価指数(TOPIX)は続伸し、前引けは30.58ポイント(1.18%)高の2612.48と、取引時間中として2日以来およそ2週間ぶりに2600を上回った。

 

 


 
JPXプライム150指数は続伸し、6.38ポイント(0.55%)高の1165.85で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2284億円、売買高は8億8843万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1153。値下がりは445、横ばいは47だった。
 
業種別では、石油・石炭製品、銀行業、証券・商品先物取引業、非鉄金属、輸送用機器などが上昇した一方、サービス業、陸運業の2セクターのみ下落した。
 
個別では、決算発表を受けて電通グループが買われたほか、古河電工、レーザーテック、ディスコ、三井化学が大きく上値を追ったほか、川崎重工、三菱重工、三菱電機など防衛・宇宙関連銘柄の一角が上昇。三井住友フィナンシャルグループ、三菱UFJFGなどメガバンクも値を飛ばしている。ソフトバンクグループも高く、ソシオネクストも物色人気。アイスタイル、ベースが急騰した。
 
半面、リクルートホールディングスが安く、ソニーグループ、資生堂、清水建設が下落した。キーエンスも利食われた。プラスアルファ・コンサルティング、Sun Asteriskが急落、テスホールディングスなども大幅安。ZOZO、イオン、ニトリホールディングスなど内需株がやや弱いほか、村田製作所、ミネベアミツミがさえない。

 

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