61ドル安 ダウ反落 利益確定売り、景気懸念の後退は支え

20日のNYダウ工業株30種平均は6営業日ぶりに反落し、前日比61ドル56セント(0.15%)安の4万0834ドル97セントで終えた。前日にかけて上げが続いた後で、主力銘柄の一部に持ち高調整や利益確定の売りが出た。半面、米景気が大幅に悪化するとの懸念が後退していることが支えとなり、下値は堅かった。
ダウ平均は前日までの5営業日で1500ドルあまり上昇し、7月17日に付けた最高値(4万1198ドル)まで約300ドルに迫っていた。
 
米経済に対する楽観的な見方や9月の利下げ観測を背景に、ダウは前日まで5連騰し、8月初旬の急落前の水準を回復した。21日には7月の米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公表され、23日には経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」で連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が講演を行う。市場関係者は今後の利下げ方針に関する手掛かりを得ようとしており、積極的な商いは手控えられた。
 
市場からは「パウエル議長は講演で9月の利下げ幅については踏み込まないかもしれないが、雇用情勢などに関する見解などについて注目している」(日系証券)との声が聞かれた。
前週発表の米経済指標がインフレ鈍化や消費の底堅さを示した。FRBが9月のFOMCで利下げに動くとの見方も強まっている。「景気や企業業績など米国株のファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)は依然としてかなり良い」との見方は安心感につながっている。

ダウ平均ではボーイングが4%あまり下げた。新型機「777X」の機体に損傷が見つかり、試験飛行を中断したことが明らかになった。インテルやダウなども下げた。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やホーム・デポ、ウォルマートは買われた。

ナスダック総合株価指数は9営業日ぶりに反落した。前日比59.834ポイント(0.33%)安の1万7816.937で終えた。エヌビディアが安い。一方、19日夕発表の決算が市場予想を上回った情報セキュリティーのパロアルト・ネットワークスは7%高だった。

S&P500種株価指数は9営業日ぶりに反落し、前日比11.13ポイント(0.19%)安の5597.12で終えた。
 

NYダウ    40834.97 ( -61.56 )
S&P500    5597.12 ( -11.13 )
NASDAQ  17816.94 ( -59.83 )
米10年債利回り  3.808 ( -0.066 )

NY(WTI)原油   74.04 ( -0.33 )
NY金      2550.6 ( +9.3 )
VIX指数    15.88 ( +1.23 )

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

20日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比285円安の3万7535円で終えた。NYダウ平均は、利益確定の売りが優勢となり、6営業日ぶりに反落した。この日は米株式相場が下落し、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
 
シカゴ日経225先物 (円建て) 
37535 ( -545 )
 
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
37590 ( -490 )
 
( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8273.32(-83.62)

20日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比83.62ポイント(1.00%)安の8273.32で終えた。原油先物相場が下げ幅を広げた場面で英シェルなど時価総額が大きいエネルギー株に売りが膨らみ、指数を下押しした。

原油先物相場の下落は、パレスチナ自治区ガザでの停戦協議が進展するとの期待や中国経済の不透明感が背景にある。

FTSEの構成銘柄では、通信大手BTが6.39%安と下落率トップ。小売り大手JDスポーツ・ファッションが4.38%安、石油大手シェルが2.84%安と続いた。一方、格安航空大手イージージェットが1.27%高、産金大手エンデバー・マイニングが1.16%高と買われた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18357.52(-64.17)

20日のドイツ株価指数(DAX)は11営業日ぶりに反落し、前日比64.17ポイント(0.34%)安の1万8357.52で終えた。朝方は買いが優勢だったものの、エネルギー株安が重荷となった英国などの株式相場が下げるとDAXも伸び悩み、下げに転じた。

前日まで相場持ち直しの流れが続いていたため、目先の利益を確定する目的の売りが出やすかった。

個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.50%安、防衛大手ラインメタルが3.01%安、製薬大手バイエルが2.80%安と下げを主導。半面、日用品大手ヘンケルが1.75%高、エネルギー大手イーオンが1.18%高と買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7485.73(-16.28)

フランスの株価指数CAC40は6営業日ぶりに反落し、前日比0.21%安で終えた。高級ブランドのエルメス・インターナショナルなど消費関連の一角が買われ、指数を下支えした。

 
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