23日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比93円57銭(0.24%)安の3万8117円44銭だった。朝方に上げ幅は100円を超えたが、買いの勢いは続かなかった。
前日の米株式市場は下落したが、寄り付きの日経平均株価は値を上げてスタート。為替が1ドル=146円00銭前後と円安で推移していたことも追い風となった。朝方に日経平均株価は一時160円近い上昇となった。ただ、買い一巡後は売りに押され値を消す展開に。今日は日銀の植田和男総裁が衆参両院の閉会中審査に出席するほか、今晩にはジャクソンホール会議でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が講演を予定していることから、積極的な売買は手控えられ持ち高調整の売りが優勢となった。為替が145円台半ばの円高方向に振れたことも警戒された。
市場では「方向感のわかりにくい発言が多かったが、少なくともハト派的な内容ではなかったため、円の下げ渋りとともに株売りを促しやすかった」との見方もあった。
前日の米株式市場ではナスダック総合株価指数や、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が大幅に下落した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が23日に講演するのを前に持ち高調整の売りも出やすかった。東京株式市場でも日経平均に寄与度の大きい東エレクトロンやアドバンテストなどに売りが波及した。
為替は1ドル145円半ばで推移しており、植田日銀総裁の発言を受けての円高ドル安は一服している。市場の関心は、今晩23時の米ジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演に向かっており、後場の東京株式市場は静かな推移となろう。日経平均は3万8000円水準でのもみ合いとなりそうだが、一応、午後も参議院財政金融委員会の閉会中審査に植田日銀総裁が出席することから、為替動向は念のため注意しておきたい。
東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは3.90ポイント(0.15%)安の2667.50だった。JPXプライム150指数も反落した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6580億円、売買高は6億3740万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は880。値上がりは699、横ばいは67だった。
業種別では、電気機器、保険業、卸売業、非鉄金属、ガラス・土石製品などが下落した一方、建設業、精密機器、その他金融業、石油・石炭製品、倉庫・運輸関連業などが上昇した。
個別銘柄では、フィラデルフィア半導体株価指数(SOX指数)が前日比3%超下落したことから、レーザーテックやディスコ、東京エレクトロン、ルネサスエレクトロニクス、アドバンテスト、ソシオネクストが安く、ソフトバンクグループが軟調。三井住友フィナンシャルグループやトヨタ自動車も安い。
半面、ソフトバンクが1000億円規模の出資を行うと報じられたことでシャープが大幅高となったほか、証券会社のレポートを材料に大成建設、大林組が買われた。三菱重工業やIHIが高く、ファーストリテイリングやリクルートホールディングス、セブン&アイ・ホールディングスが値を上げた。このほか、日立造船、明治HD、コニカミノルタ、コムシスHDが買われた。
