「金トラ」
NY株式市場は小幅続落。
「北朝鮮情勢を巡る地政学的な緊張は継続。しかし押し目買いによる下げ渋り」との解釈。
地政学リスクよりも堅調な世界経済や好調な企業業績に焦点が移行したということだろう。
もっとも防衛関連産業のロッキード・マーチンやゼネラル・ダイナミクス・ノースロップ・グラマンなどは上昇。
ダウ防衛株指数は過去最高値を更新。
「炎と怒り」の政学リスクはいくらか残った形だ。
債券市場は安全資産としての債券との見方から買い物優勢の展開。
10年債利回りは一時2.212%と6月28日以来6週間ぶりの低水準となった。
為替市場も安全資産としてのスイスフランが買われた。
スイスフランは対ユーロで1日としては2015年1月以来の大幅な上昇を記録。
ドルはスイスフランに対して1.1%安。
約6週間ぶりの大幅下落となった。
円も安全資産の一部という相変わらずの不可解な解釈から買われドル/円は110.01円。
原油在庫は650万バレル減少。
予想(270万バレル)より大きかった。
製油所稼働率は96.3%で2005年8月以来12年ぶりの高水準。
卸売在庫高は前月比0.7%増で6カ月ぶりの大きな伸び。
販売が減速するなか自動車在庫が増加したことが背景だった。
しかしほとんど見えないフリ。
「トランプ大統領の炎と怒りの警告は何の助けにもならず、北朝鮮の挑発を招く恐れを高めた」という解釈の一日。
パリバ・ショック10周年記念日の日経平均株価は続落。
「目先の天底をつける可能性のある変化日」というのが気学的にみて火曜日だった。
その火曜日からの相場の変化の継続と見ることもできる。
もっとも北朝鮮VS米国の地政学リスクの影響は前場でほぼ解消。
後場は前引け比で2円弱の下落に過ぎなかった。
にわかに登場した「北朝鮮リスク」を「金・トランプ」リスクと言う。
「売り方にとっては格好の攻撃材料が提供された。
円高とあわせ日経平均は一時300円を超す下げ」であったことは間違いない。
新高値銘柄数は84と前日の169から減少し久々の2桁となった。
「罫線的には日経平均は26週線(19569円)、TOPIXは13週線(1606ポイント)が当面の下値のメド」との声がある。
日経平均はまだ上向きの75日線(19874円)を割り込んで5月末あたりの水準まで下落。
いわゆる方向線を下抜けた訳で売り好きの罫線屋さんのある意味思う壺の動き。
早急な復活が望まれるところだ。
225先物大証夜間取引終値は日中比40円高の19770円と下げ止まりの動き。
昨日はミニSQを控えたオプションのポジション調整であったために「金トラ」がクローズアップされた。
とすれば、SQ通過後の株価に先月と変わって今月は期待という見方もある。
ボリンジャーのマイナス3σが19754円。
マイナス3σ割れは昨年11月10日、今年1月19日以来の異常値。
4月17日でさえもマイナス2σで止まっていたから多少の自立反発には期待できるだろう。
ちなみにマイナス2σが19864円。
マイナス1σが19938円だ。
加えれば日経平均のPERは13.99倍と昨年11月のトランプショック以来の14倍割れ。
EPSは1410円だから19740円が14倍レベル。
先物の終値はPER13倍台は許さないというメッセージでもあろう。
空売り比率は41.6%と40%台復活。
日経VIは16%台まで上昇。
日経では「膠着相場でのオプション売りトレードの弊害」が指摘されていた。
しかし膠着離れのきっかけはもう要らないだろう。
4日時点の裁定買い残は2週ぶりに増加。
前週比255億円増の1兆6110億円。
ほとんど影響のない水準。
裁定売り残2週連続で増加。
前週比441億円増の2670億円。
3連休後の「8月14日株高」のアノマリーに期待だろう。
金トラについては株式市場が人の理性をまだ信じていることを信じたいもの。
一目均衡の雲から脱出するには20025円という解が求められる。
14日に勝手雲は黒く捻じれている。
パリバ・ショック、ニクソンショック、ロシア危機、チャイナショック。
「魔の8月」。
いっそのこと週末のスタジオジブリが登場してもいいかも知れない。
安倍首相がこのところ長老と会っている。
一昨日は六本木のヒルズ倶楽部で森元首相。
昨夜は17時36分に長崎から私邸に戻ったが21時から23時7分まで麻生財務大臣・元首相。
地政学リスク関連なのか、あるいは解散問題なのか。
単に夏の儀礼なのかも知れないが、どうなのだろう。
そしてお盆の休み。20025円という解が求められる。
今年は加計さんと富士桜という訳にもいかず結構悩ましそうだが・・・。
●騰落レシオ:108.42
割安感の目安は0以下
●RCI(9日):50.00
割安感の目安は20以下
●RSI(10日):32.45
割安感の目安は20以下
●ストキャス(7日):38.63
割安感の目安は20以下
●サイコロ(7日):42,86
割安感の目安は25以下
NYダウは36ドル安の22048ドルと続落。
NASDAQは18ポイント安の6352ポイント。
S&P500は0.90ポイント安の2474ポイント。
ダウ輸送株指数は2ポイント高の9235ポイント。
3市場の売買高は64.8億株。
CME円建ては大証比25円高の19755円。
ドル建ては大証比35ポイント高の19765ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比40円高の19770円。
ドル円は110.06円。
10年国債利回りは2.249%。
非公式外資系5社動向は売り1210万株、買い1160万株。
金額ベースは15億円の売り越し(2日ぶり)。
売りは自動車・薬品・保険・精密・金属・機械・卸売セクターなど。
買いはサービス・石油・銀行セクターなど。
売買交錯は電機・銀行セクターなど。
◇━━━ カタリスト ━━━◇
アルコニックス(3036)・・・動兆
アルコニックスに注目する。
同社は非鉄原料の専門商社。
レアメタルに強い。
金属加工等の製造業を強化し製造商社を目指している。
スマホ用電子材料や自動車向けアルミ圧延品が拡大。
今3月期第1四半期連結決算は絶好調。
進捗率の高さは上方修正期待につながろう。
配当予想の増額、株式分割を発表。
(兜町カタリスト櫻井)
