小幅続伸、米ダウ平均の高値更新で 半導体株安は重荷

 
17日午前の日経平均株価は小幅に続伸し、午前終値は前日比32円28銭(0.08%)高の4万1307円36銭だった。
 
きょう前場は大型株中心に買い優勢の展開となったが、日経平均は指数構成比率の高い値がさの半導体関連株が売られたことで上げ幅は限定的となった。前日の米国株市場でNYダウが740ドルあまりの急伸をみせたことが市場センチメントを強気に傾けたものの、4万1000円台半ばでは目先筋の利益確定売り圧力が強く、前引けにかけて伸び悩んでいる。
 
米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測などを背景に、前日16日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いだ。もっとも同日に米ハイテク株が軟調に推移したこともあって、値がさの半導体関連の一角には売りが出て日経平均を下押しした。
 
16日の米株式市場ではダウ工業株30種平均が大幅に5日続伸し、連日で最高値を更新したほか、S&P500種株価指数も最高値を付けた。早期の米利下げ観測が強まるなか、同日発表の6月の米小売売上高は前月比横ばいと、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.4%減)を上回った。5月分も上方修正され、米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの見方が広がり、投資家心理が強気に傾いた。リスク許容度の増した投資家の資金が日本株にも流入した。
 
買い一巡後は上値の重さが目立った。16日の米市場では半導体大手エヌビディアやマイクロソフトなどハイテク株の一角が下落した。米ハイテク株安が波及する格好で、値がさの半導体関連が売られた。東エレクやレーザーテクが一時3%を超える下げを演じたほか、上昇して始まったアドバンテストも下落に転じた。
 
市場では「日本株の先高観は強いものの、今月下旬に本格化する4〜6月期の決算発表を見極めたい投資家は多く、目先の利益を確定する目的の売りが出て上値を抑えた」との声が聞かれた。
 
為替は1ドル158円40銭台と目立った動きは観測されず。政府・日本銀行と見られる連日の円買いドル売り介入実施を受けて、積極的な円売りは手控えられている。後場の東京市場は、日経平均が前日比マイナス圏に突入する場面もありそうだが、防衛関連やインフラ関連銘柄が下支えとなり、下げ幅拡大は回避されよう。日経平均は4万1300円水準でのもみ合いを想定する。

 
 


 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは13.68ポイント(0.47%)高の2918.18だった。JPXプライム150指数も続伸し、5.15ポイント(0.40%)高の1292.43で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9600億円、売買高は8億2110万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1221。値下がりは366、横ばいは58だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)は繊維製品、不動産業、精密機器、建設業などが上昇した。下落はその他製品、電気機器など。
 
個別では、11月の米大統領選でトランプ前大統領が勝利するシナリオに賭ける「トランプ・トレード」が活発化するなか、三菱重工業が堅調、川崎重工業も商いを伴い大幅高に買われた。信越化、テルモ、オリンパスが高い。
前場売買代金トップの三井E&Sが物色人気、IHIにも投資資金が流入している。このほかコマツも活況高となった。ヤマシンフィルタが急騰、セルソースも値を飛ばした。東宝も大幅高となっている。
 
半面、ディスコ、レーザーテック、東京エレクトロンなどの半導体主力株の下げが目立つ。ローツェも安い。ヨシムラ・フード・ホールディングスが大幅安となったほか、古野電気、SHIFTの下げも目立つ。ソフトバンクグループ(SBG)やTDKが安い。スクリンやSUBARUが下落した。

 

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