ダウ、初の4万1000ドル台、利下げ観測

17日のNYダウ工業株30種平均は6日続伸し、前日比243ドル60セント(0.59%)高の4万1198ドル08セントで終えた。3日連続で過去最高値を更新し、4万1000ドル台に初めて乗せた。

米国の利下げ観測を背景に出遅れ銘柄への資金シフトが続いた。市場予想を上回る決算を発表した銘柄に買いが入ったことも、ダウ平均を支えた。半面、対中規制強化への懸念や台湾情勢を巡る不透明感から半導体株を中心にハイテク銘柄が売られ、相場の重荷となった。

ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁は17日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のインタビューで、インフレ鈍化傾向を受け、数カ月以内に利下げが正当化される可能性があると表明した。市場では、FRBが9月に利下げに踏み切るとの見方が広がり、ダウは幅広い銘柄に買いが入った。

半面、エヌビディアやASMLなど半導体関連銘柄が大きく売り込まれ、ナスダックは大幅安となった。日本とオランダが対中半導体規制のさらなる強化に応じなければ、バイデン米政権が最も厳格な輸出管理措置を講じる方針だとの報道が嫌気された。

足元の米経済指標をみると「景気の過熱感が和らぎながらも底堅さを維持している」と受け止められている。米経済はソフトランディング(軟着陸)を達成できるとの見方が広がっており、これまで相対的に出遅れ感のあった銘柄に資金が流入しやすくなっている。シスコシステムズやマクドナルドが高い。米原油先物相場が上昇し、シェブロンも買われた。

17日朝に市場予想を上回る2024年4〜6月期決算を発表したジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は4%近く上昇した。前日に決算を好感した買いを集めていたユナイテッドヘルス・グループへの買いも続いた。

半面、半導体関連株への売りが目立った。米ブルームバーグ通信は16日、バイデン政権が東京エレクトロンやオランダのASMLホールディングなどの企業が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続ける場合、最も厳しい貿易制限措置をとることを検討していると同盟国に伝えたと報じた。

これとは別に、トランプ前大統領はブルームバーグ通信のインタビューで「台湾は米国に防衛費を支払うべきだ」と述べ、台湾情勢を巡る先行き不透明感から半導体業界への悪影響が懸念された。

出遅れ銘柄が買われる半面、半導体以外でも過熱感が意識されていた大型ハイテク株に売りが出やすくなっている。アマゾン・ドット・コムは3%近く下げた。アップルやマイクロソフトも売られ、ダウ平均の重荷となった。

ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに大幅に反落した。前日比512.415ポイント(2.76%)安の1万7996.925で終えた。1日の下落率としては22年12月以来の大きさだった。半導体関連株への売りが目立ち、エヌビディアは7%近く下げた。メタプラットフォームズやテスラなども売られた。

 

 


【シカゴ日本株先物概況】

17日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比1305円安の4万0240円で終えた。

NYダウ平均は、米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言を背景に早期利下げ観測が強まったことで買いが膨らみ、6営業日続伸した。同日は日経平均株価と米ナスダック総合株価指数が下落した。投資家がリスク回避の姿勢を強め、シカゴ市場の先物は売りが優勢となった。

 

シカゴ日経225先物 (円建て)

40240 ( -840 )



シカゴ日経225先物 (ドル建て)

40295 ( -785 )



( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数

FTSE100 8187.46(+22.56)

17日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反発し、前日比22.56ポイント(0.27%)高の8187.46で終えた。一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった英アストラゼネカなど製薬株が買われ、指数を押し上げた。

FTSE100種指数は前日終値を下回る場面があるなど、上値は限られた。17日発表の6月の英消費者物価指数(CPI)を受けて英利下げ観測が後退したのは、株価の重荷だった。

英レキットベンキーザーグループといった日用品株が買われたほか、前日までに株価水準を大きく切り下げていた高級ファッションブランドのバーバリー・グループ株が上げた。次期最高経営責任者(CEO)にジョルジュ・エレデリー最高財務責任者(CFO)を起用すると公表した英HSBCホールディングスなど銀行株が買われた。一方で航空・防衛関連や資源株には売りが優勢だった。

FTSEの構成銘柄では、高級衣料大手バーバリーが4.40%高と上昇率トップだったほか、医療機器大手スミス・アンド・ネヒューが2.49%高、通信大手BTが2.36%高と上げを主導。

一方、産銅大手アントファガスタは6.11%安、資産運用大手インターメディエイト・キャピタル・グループは4.71%安だった。

 

 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

DAX 18437.30(-80.73)

17日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比80.73ポイント(0.43%)安の1万8437.30で終えた。半導体の独インフィニオンテクノロジーズやソフトウエアのSAPなどテクノロジー関連の銘柄が売られた。

半導体関連株の下落は、バイデン米政権が先端半導体技術へのアクセスを中国に提供し続けた企業に対して貿易制限措置の強化を検討すると伝わったことが背景にある。17日の欧州株式市場ではオランダのASMLホールディングが約11%安で終えるなど関連銘柄に売りが広がった。

個別では、防衛大手ラインメタル(5.78%安)やエネルギー大手シーメンス・エナジー(4.36%安)、業務用ソフトウエア大手SAP(2.12%安)が売られた半面、化学大手BASF(2.96%高)や製薬大手バイエル(2.40%高)などが買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数

CAC40 7570.81(-9.22)

フランスCAC40種指数は0.12%安だった。半導体関連株も落ち込み、欧州株は低迷した。

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