18日のNYダウ工業株30種平均は7営業日ぶりに反落し、前日比533ドル06セント(1.29%)安の4万0665ドル02セントで終えた。下げ幅は5月下旬以来の大きさだった。
インフレ鈍化を背景に、米連邦準備制度理事会(FRB)が9月に利下げを実施するとの見方が強まったため、ダウの上げ幅は前日までの6営業日で1900ドルを超えた。相場の過熱感が意識される中、金融株やハイテク株など幅広い銘柄が下落。引けにかけてダウの下げ幅は拡大した。
消費関連を含む景気敏感株など相対的に出遅れ感のあった銘柄への買いが目立っていた。短期間に急上昇した後とあって持ち高調整の売りが広がった。
高値圏にあるハイテク株の一角の下げが続いたのも相場の重荷だった。同日発表の週間の米新規失業保険申請件数が市場予想を上回り、直近の高水準に並んだ。労働市場の軟化が意識され、投資家心理を冷やしたとの声もあった。
ダウ平均は上昇に転じる場面もあったものの、買いは続かなかった。下げ幅は一時600ドルを超えた。11月の米大統領選に向けて共和党候補のトランプ前米大統領が勢いを増す一方、民主党現職のバイデン大統領には高齢を背景に撤退観測が強まっている。トランプ氏の発言などに相場が左右されやすくなるとの見方があり、値動きの荒い展開となった。
株式相場の予想変動率を示す「VIX指数」は一時16を超えた。前週末は12台だった。不安心理の高まりを示す目安とされる20を下回るものの、足元で急上昇している。
ダウ平均ではゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースの下げが目立った。アマゾン・ドット・コムやアップル、セールスフォースなども売られた。一方、インテルやシェブロンが上げた。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比125.702ポイント(0.69%)安の1万7871.223で終えた。アルファベットが下落した一方、メタプラットフォームズやエヌビディアが上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
18日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比185円安の4万0055円で終えた。
NYダウ平均は、史上最高値を連日記録した反動から利益確定の売りが膨らみ、7営業日ぶりに反落した。この日は日米で株式相場が下げ、シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
40055 ( -185 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40115 ( -125 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8204.89(+17.43)
18日のFTSE100種総合株価指数は続伸し、前日比17.43ポイント(0.21%)高の8204.89で終えた。外国為替市場でポンド売り・ドル買いが優勢となり、ポンド安の恩恵を受けやすい輸出関連銘柄の一部に買いが入った。エメルギー株の上昇も指数を支えた。
FTSEの構成銘柄では、好業績を発表した小売り大手フレイザーズ・グループが9.19%高と上昇率トップ。資産運用大手シュローダーが4.88%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションが3.64%高と続いた。一方、産銅大手アントファガスタが4.93%安、投資会社メルローズ・インダストリーズが3.77%安と売られた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18354.76(-82.54)
18日のドイツ株価指数(DAX)は4日続落し、前日比82.54ポイント(0.44%)安の1万8354.76で終えた。独シーメンスやソフトウエア大手SAPなど、時価総額が大きい一部銘柄に売りが膨らみ、指数の重荷となった。半導体のインフィニオンテクノロジーズ株も下げた。
DAXは前日終値を上回って推移する場面があったものの、18日の米株式市場で主要な株価指数が下げ幅を広げ、投資家心理を冷やした。好調な四半期決算を公表したスウェーデンのボルボ・カーが大幅高となったのを背景に、部品のコンチネンタルや独メルセデス・ベンツグループなど自動車関連株には買いが優勢だった。
個別では、総合電機大手シーメンスが4.42%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが2.32%安、業務用ソフトウエア大手SAPが1.46%安。この半面、コメルツ銀行は2.88%高、商用車大手ダイムラー・トラックが2.42%高と買いが優勢だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7586.55(+15.74)
フランスCAC40種指数は0.21%高だった。企業の好決算による株価押し上げ分を半導体関連株の売りにより、打ち消された。
